【表題】 豚ふん堆肥を利用した堆肥脱臭法の検討(第1報)−オガクズ混合が豚ふん堆肥脱臭の能力に与える影響−

【著者名】 坂井隆宏;山崎陽祐;脇谷裕一郎;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀大学農学部;佐賀県畜産課
【発行年】 2005
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 41
【頁】 123−126
【要約】 豚ふん堆肥にオガクズを混合しアンモニアや硫黄化合物を含む臭気を吹き込むことにより、オガクズの混合が豚ふん堆肥脱臭の能力向上につながるかどうかを検討した。【材料および方法】@ 水分条件を合わせるために試験開始時のみ加水を行い、水分は36〜40%の範囲内となった。試験区は以下の3区である。[対照区]豚ふん堆肥:5.00kg、オガクズ:0kg、加水量:0.5L[25%区]豚ふん堆肥:3.75kg、オガクズ:1.25kg、加水量:1.0L[50%区]豚ふん堆肥:2.50kg、オガクズ:2.50kg、加水量:1.5L A 臭気の発生源には鶏ふんを使用し、3Lの三角フラスコに1kgの鶏ふんを入れ、1週間に1回鶏ふんを入れ替えながら、室温条件下で各試験区の脱臭資材に6L/分で21日間鶏ふん臭気を通気した。【結果および考察】@ 臭気成分について:硫化水素に連続的な発生は見られず、突発的に低濃度しか発生しなかった。アンモニアについては前試験区でほぼ100%除去され、試験区間での差はほとんど見られなかった。堆肥中の微生物は乾燥に弱く水分40%以下では増殖が抑制されるが、脱臭用堆肥の水分が40%以上で、本試験における程度のアンモニアの負荷であれば、アンモニア除去が可能であると考えられる。硫黄化合物については測定時期による変動が大きいものの、全般的にオガクズの混合割合が多くなるほど硫黄化合物の除去率が大きくなる傾向が見られた。A 脱臭資材の成分変化は、全試験区で試験の開始時よりも終了時の方が開始時より1.4〜1.6倍に増加したことにより、脱臭資材の内部で硝化が起こったことが示唆され、堆肥中の硝酸菌、亜硝酸菌の活動により堆肥に吸着したアンモニアが不揮発性の硝酸、亜硝酸に変換されたものと考えられる。従って、堆肥脱臭は吸着脱臭と同時に生物脱臭をしていることが示唆された。オガクズ脱臭装置では硝化作用は起こらず、脱臭槽から硝化菌や亜硝酸菌は検出されなかった例があるので、堆肥由来の微生物の働きが脱臭資材中での脱臭機序の働きには重要であると考えられる。B 本試験の結果により豚ふん堆肥を利用した堆肥脱臭を行う際に、脱臭堆肥にオガクズを混合することにより、硫黄化合物の除去率向上に効果があることが確認された。また、全試験区で硝化作用が見られアンモニア除去に寄与していることから、オガクズ混合が硝酸菌、亜硝酸菌の活動に悪影響を与えることはないことが示唆された。一方、脱臭装置としての運転コストや堆肥の圃場還元を考えた場合、オガクズはできるだけ少ないことが望ましい。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る