【表題】 豚ふん堆肥を利用した堆肥脱臭法の検討(第2報)−水分条件が豚ふん堆肥脱臭の能力に与える影響−

【著者名】 坂井隆宏;山崎陽祐;脇谷裕一郎;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀大学農学部;佐賀県畜産課
【発行年】 2005
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 41
【頁】 127−130
【要約】 アンモニアは非常に水に溶解しやすく、水洗浄による脱臭などもおこなわれる。また、堆肥の中の微生物は乾燥に弱く、40%以下では増殖が抑制されることや、堆肥脱臭を行う際に加水を行う際に加水を行わなければ脱臭能力が低下することが示唆されていることから、堆肥脱臭における堆肥水分は重要なファクターであると考えられる。そこで、豚ふん堆肥に定期的に加水を行いながら、アンモニアと硫黄化合物を含む臭気を送入し、堆肥水分が豚ふん堆肥脱臭に与える影響について検討した。【材料および方法】@ 室内脱臭実験装置を作製して次の3試験区を設け、通気実験を行った。[対照区]豚ふん堆肥:6.0kg、加水量:0L、加水時水分:50.2% [5%区(堆肥に重量比5%を1週間に1回加水)]豚ふん堆肥:6.0kg、加水量:0.3L、加水時水分:52.6% [10%区(重量比10%加水)]豚ふん堆肥:6.0kg、加水量:0.6L、加水時水分:54.7% A 臭気の発生量源には採卵鶏ふんを使用し、3Lの三角フラスコに2kgの鶏ふんを入れ、1週間に1回鶏ふんを入れ替えながら、室温条件下で各試験区の脱臭資材に6L/分で35日間に渡って鶏ふん臭気を通気した。B 実験開始から7日毎に脱臭資材を実験装置から取り出して撹拌し、分析サンプルを採取後、加水を行い、再び実験装置に戻した。【結果】@ 硫化メチルは水分が高いほど除去率が低くなる傾向が見られたが、アンモニア、メチルメルカプタン、二硫化メチルに試験区間で差は見られなかった。A 堆肥中水分について5%区はほとんど変化はなかったが、10%区は上昇し続けて60%以上に達し、対照区は逆に水分が低下して約40%まで低下した。B容積重は10%区が上昇し続け、実験の末期には排汁が見られた。C 全試験区においてpHは日数の経過につれて低下し、ECは日数の経過に従って上昇した。【考察】@ 以上の結果から豚ふん堆肥脱臭を行う際には硝化が順調に進みなおかつ排汁が出ない水分として45〜60%程度が妥当な水分であり、定期的に加水を行うことによって適当な水分域に維持できることが示唆された。A 本試験の結果では水分の増加が必ずしも脱臭能力に影響を及ぼさなかった。従って、水分40〜60%の範囲では水分条件は必ずしも脱臭能力に影響はないと推測された。B 今後は、堆肥の水分調整だけでは高除去率を得られない硫化メチルや二硫化メチルの除去をどのように図るかを検討していく必要がある。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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