【表題】 低コストセラミックスを利用した汚水浄化処理試験(第2報)−形状の変化が物理性状および浄化に及ぼす影響−

【著者名】 脇谷裕一郎;勝木宏昭;古田祥知子;古川敬通;坂井隆宏;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県窯業技術センター;古川製陶有限会社
【発行年】 2003
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 39
【頁】 74−79
【要約】 前報(本データベース8037)で作出したセラミックスより、さらに低コストで高い浄化処理能力を有する坦体を開発するため、形状を変化させた改良坦体を試作し、年間を通じた浄化能力の確認を行った。【材料および方法】1)試験槽は、容量6Lの水槽を用いて、エアポンプによるばっ気処理を行った。2)坦体は、前報で供試した市販セラミックス(以下、対照区:外径30mm、高さ15mm)、低コストセラミックス(以下、セラミックス@区:内径27mm、外径45mm、高さ28mm)に加えて、低コストセラミックスと原材料、焼成工程は同一で形状を凹凸構造に変化させた坦体(以下、セラミックスA区:内径19mm、外径45mm、高さ28mm)の3種類を用い、各坦体において40%充填区、50%充填区を設置した。セラミックス@およびAは、水田土壌、砂等を原料とし、主要原料成分はSiO2 71%、AlO3 20%、FeO3 4.5%、アルカリ2.0%である。3)供試汚水は、佐賀県畜産試験場養豚舎より排泄される原尿汚水を用い、ふん等固形分を混合させ濃度調整を行った。4)試験は開始から約40日間は汚泥形成期とし、試験期間中(9ヵ月間)の処理水の引き抜きおよび汚水の投入量は1日1回1Lとし、BOD容積負荷を0.1〜0.8kg/?・日の範囲で行った。【結果および考察】1)購入価格は、セラミックスAが@と比較して、凹凸構造により重量が軽くなったため、最も安価となった。2)坦体の物理性状は、気孔率で市販セラミックスと比較して低コストセラミックス@およびA共にほぼ同等であった。3)処理能力については、BODおよびSSは全ての試験区において約90%の高い浄化が確認され、全窒素はセラミックスA50%区で最も高く推移した。坦体充填率間では、NH4-Nで40%充填区より50%充填区が顕著に除去率が高くなった。4)BOD、CODおよびNH4-Nは、冬季より夏季で除去率が高いものの、試験区間における差は認められなかった。5)以上の結果より、セラミックス区@、Aに供試したセラミックスは対照区の市販セラミックスとほぼ同等の浄化能力があることが確認された。また、耐久性についても、対照区と比較してセラミックス@、Aが高い結果が得られた。特に、セラミックスAはセラミックス@と比較して安価であるのに、処理能力には差がない。さらに、活性汚泥の付着量が増加したことで、安定した固定微生物群が得られる形状に変化させた、セラミックスAの方が坦体として実用的であることが推察された。冬季のNH4-N除去についても半地下式やハウス設置等の保温対策を行うことで十分対応できると考えられた。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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