【表題】 低コストセラミックスを利用した汚水浄化処理試験(第3報)−低コストセラミックスを利用した農家実証試験−

【著者名】 脇谷裕一郎;勝木宏昭;古田祥知子;古川敬通;坂井隆宏;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県窯業技術センター;古川製陶有限会社
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 40−46
【要約】 前年度の試験(本データベース11499)より、試作した凹凸状の改良セラミックスが、市販セラミックスとほぼ同等の浄化能力があることが確認された。購入単価についても、市販セラミックスと比較して単価が約40%と安価であり、坦体としての使用が有効であることが確認されたことから、今年度は、改良セラミックスを供試した農家実証試験(処理対象頭数:肥育豚換算800頭)を行い、実用化の可能性について調査を行った。【材料および方法】@ 汚水処理施設は、佐賀県武雄市O養豚場に設置した。飼養規模は母豚100頭経営であり、肥育豚舎の一部をノコクズによる吸着を行っている。A 汚水処理施設は、豚舎からの排水を、固液分離機、第1、2沈殿槽で固形分の分離を行った後、第2沈殿槽の上澄み液をばっ気槽に投入し、3槽から成るばっ気槽において、第1槽は活性汚泥法、第2、3槽は生物膜法による処理を行った。B 試験期間中の処理水の引き抜きおよび汚水の投入は、6?/日、BOD容積負荷は0.3〜1.1kg/?・日(平均0.5kg/?・日)の範囲となった。C 試験期間はH15年9月〜3月の7ヵ月間とした。【結果および考察】@ 第1、2沈殿槽における各成分の除去率は、秋季、冬季において顕著な差は確認されなかったが、成分値ではT-Pが秋季、冬季において70%以上の高い除去率となった。A 汚水成分除去の経時動向について、BOD、NH4-N、SSは試験期間を通じて、平均90%以上の高い浄化が確認されたが、COD、T-N,T-Pは平均80%程度が限界であり、試験期間中の除去にばらつきが確認された。B 試験期間中の水温は平均約18℃、最低水温も第1ばっ気槽で12.1℃と高く推移した。C DO濃度は第3ばっ気槽が最も高くなったが、1mg/L以下と低く推移する時期も確認され、生物処理の維持管理に問題となる濃度であった。D MLSS濃度は試験の経過時間と共に増加し、最大8,500mg/Lまで増加した。通常、ばっ気槽内のMLSS濃度は3,000〜6,000mg/Lに設定されるが、6,000mg/L以上を推移した時期も多く、このことが、DO濃度の低下した要因の一つとして考えられるため、余剰分のMLSSを引き抜き、ばっ気槽の状態を改善する必要がある。E 今回の試験において、沈殿槽、ばっ気槽において、各成分に対し高い浄化能力が確認されたが、生物膜法の特徴である生物膜形成が不十分であったため、特に窒素の除去に課題を残した。F 散気管を微細気泡管に変更し、DO濃度を高くし生物膜法における生物膜を十分に形成することで、成分除去効果の向上させることが考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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