【表題】 炭化物を副資材として利用した豚ふんの堆肥化(第2報)−食品廃棄物系炭化物の利用−

【著者名】 坂井隆宏;山崎陽祐;脇谷裕一郎;式町秀明;尾野喜孝
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀大学農学部;佐賀県畜産課
【発行年】 2005
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 41
【頁】 136−140
【要約】 食品廃棄物系炭化物としてオカラ炭およびコーヒー粕炭を豚ふん堆肥化時の副資材として利用し、副資材としての利用特性および、堆肥化後の施用を検討した。【材料および方法】[試験区分]@オガクズ区(対照区):豚ふん4.0kgにオガクズ1.2kgを混合して堆肥化 Aオカラ炭区:豚ふん4.0kgにオガクズ0.6kgとオカラ炭0.6kgを混合して堆肥化 Bコーヒー粕区:豚ふん4.0kgにオガクズ0.6kgとコーヒー粕炭0.6kgを混合して堆肥化 [堆肥化方法]豚ふんと炭化物およびオガクズとの混合物をそれぞれ小型堆肥化実験装置(富士平社製、かぐやひめ)に充填し室温で800mL/分で通気し、28日間堆肥化を行った。7、14、21日目に切り返しを行った。[栽培試験方法]堆肥化終了後の堆肥について、コマツナの栽培試験を行った。プランター栽培試験は窒素施用量10kg/10aを基準とし、露地栽培試験は窒素施用量20kg/10aを基準とし、それぞれ堆肥の施用を行った。【結果および考察】@ 堆肥の容積重はコーヒー粕炭区が低く推移し、堆肥温度ではコーヒー粕炭区が高くなる傾向が見られた。豚ふん堆肥化時にオカラ炭、コーヒー粕炭を副資材として用いる場合、オガクズと半量ずつ混合すれば通常のオガクズのみの場合の時と遜色ない温度上層が期待できることが確認された。A 堆肥化終了後の肥料成分では炭化物を混合した区が全般的に上昇する傾向を示した。B アンモニアと硫化メチルはオカラ炭区が多く発生し、アンモニア揮発量の増加は堆肥のpHに起因すると考えられた。C 堆肥化後の栽培試験ではSPDA値はオカラ炭区が高くなったものの、その他の項目では試験区間に明確な差は見られなかった。D オカラ炭区については10.54と高いpHを示したため、5.5〜6.5が最適pHであるコマツナには適していなかった可能性が考えられる。E コーヒー粕炭区については、元々のコーヒー粕に含まれていたフェノール系の生育阻害物質の残存していた可能性が考えられたが、今回はフェノール性物質を分析していないので、今後の検討課題である。F 堆肥化過程でコーヒー粕炭区は排汁が排出されなかった。これはコーヒー粕炭区の容積重が比較的低く推移して、堆肥内部が圧密された状態になりにくかったためと考えられる。逆に容積重が比較的高く推移したオカラ炭区は排汁の量が最も多かった。G 一般に、堆肥化が進行するには好気性微生物が活発に活動するために堆肥内部の通気性の向上が非常に重要であり、コーヒー粕炭は堆肥の容積重改善という点で有効な副資材であると考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る