【表題】 豚ふんを利用した堆肥脱臭法の検討(第3報)−堆肥水分および加水が豚ふん堆肥脱臭の能力に与える影響−

【著者名】 坂井隆宏;河原弘文;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2006
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 42
【頁】 46−49
【要約】 豚ふん堆肥の乾燥および乾燥後の加水がアンモニアと硫黄化合物の脱臭にどのような影響を与えるかを検討した。【材料および方法】@ 室内脱臭実験装置を作成して、堆肥化開始後2ヵ月以上経過した豚ふん堆肥に水分が約50%になるように加水を行い、実験装置に6kg充填して実験を行った。A 臭気の発生源には採卵鶏ふんを使用し、3Lの三角フラスコに2kgの鶏ふんを入れ、1週間に1回鶏ふんを入れ替えた。高濃度にアンモニアを発生させるため、濃アンモニア水を20mL程度添加した。B この実験装置で、室温条件下、豚ふん堆肥に6±0.1L/分で70日間にわたって鶏ふん臭気を通気した。また、鶏ふんから蒸発する水分の影響を抑えるため、臭気の経路の途中にガスの冷却容器を設置し、凝縮水が貯まった場合は回収した。C 実験の開始から7日毎に豚ふん堆肥を実験装置から取り出して撹拌し、分析サンプルを採取した。D また、豚ふん堆肥の水分が40%以下まで低下したところ(35日)で、再び水分が50%以上になるように加水を行った。【結果および考察】@ アンモニアとメチルメルカプタンの除去率は水分と連動する傾向が見られ、特に水分が40%以下になると顕著に除去率が低下した。加水を行うことによって除去率が向上したが、水分が低下すると再び除去率が低下した。硫化メチルと二硫化メチルの除去率は水分との連動は見られなかった。A 日数の経過につれて、堆肥中の硝酸態窒素およびアンモニア態窒素が増加したが、水分が低下すると硝酸態窒素の増加速度が低下し、水分の低下によって微生物の活性が低下することが示唆された。B 本実験の対照区では3週目以降の水分約45%以下の段階で硝化速度が低下し始めた。従って、堆肥脱臭を行う際には堆肥の水分を45%以上、少なくとも40%以上に維持することが望ましく、加水等水分を適正域で維持することが重要であると考えられる。C pHは日数の経過につれて徐々に低下する傾向が見られたが、ほぼ6〜8の間で推移した。ECは日数の経過につれて10程度まで上昇した。堆肥のpHはアンモニア態窒素や硝酸態窒素、有機酸等のバランスによって決まるが、本実験での堆肥pHの低下は硝酸態窒素の生成によって堆肥が酸性に傾いたためと考えられる。また、同様にECの上昇はアンモニア態窒素や硝酸態窒素の増加によるものと考えられる。D 本実験の結果および前報(本データベース11497)の結果により、堆肥脱臭の実用化には水分とオガクズの添加による効果が高いことが確認された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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