【表題】 磁器質材料を利用したMAP付着回収の検討

【著者名】 坂井隆宏;古田祥知子;河原弘文;式町秀明;鈴木一好
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県窯業技術センター;(独)農研機構・畜産草地研究所
【発行年】 2006
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 42
【頁】 50−53
【要約】 磁器質板の焼成方法と表面の粗度を変化させて汚水中に浸漬してMAPを磁器質板に付着回収できるかどうかを検討した。【材料および方法】1)90Lのポリ容器とビニールパイプを利用して作成した実験装置に、0.5mmのふるいで固形分を除去した豚舎汚水を4L/hrで35日間投入し、約9.25L/min(曝気管内の有効曝気量約380mL/L・min)で連続曝気を行った。外部からのpH調整やマグネシウムの添加は行わなかった。2)次の3種類の回収部材(磁器質板@(900℃焼成)、磁器質板A(1300℃焼成)、ステンレス板(対照区))を浸漬し、回収部材は約300cm2とした。粗面と滑面でのMAP付着状況を比較するため、回収部材の片側半分にサンドプラストをかけて粗面とした。3)測定項目:回収部材に付着した結晶を1N塩酸に熔解させた溶液についてリン、マグネシウム、アンモニア態窒素の分析を行った。実験装置投入前の豚尿汚水、曝気管内、処理後の水質について7日毎にサンプルを採取しpH、水溶性リン酸態リン、全リンを測定した。また、豚舎汚水および処理水中の汚泥(105℃蒸発残留物)に含まれるリンとマグネシウムの測定を7日毎に行った。【結果および考察】1)豚尿汚水のpHは曝気処理によって8.1〜8.6に上昇し、水溶性リン酸態リン、全リン共に低下が見られ、全リンについてはMAP反応によって平均で67.2%の除去が可能であった。2)また、処理後のSS中のリンが明らかに増加していることから、MAP反応後のリンが回収部材に付着もしくは沈殿しているものと考えられる。3)結晶が浸漬した回収部材や実験装置の各所に着いていることが観察され、磁器質板はステンレス板と遜色なく結晶が付着しているものと思われる。4)回収した結晶を分析したところP:Mg:Nの比がほぼ1:1:1であることが確認された。以上の結果から、曝気等で豚舎汚水のpHを上げることにより、磁器質板を利用して豚尿汚水から磁器質材料にMAPを付着・回収することが可能であることが確認された。5)また、磁器質材料の焼成方法などの条件で付着量が異なることが示唆された。本実験では磁器質板@が最も付着量が多かった。粗度が最も大きかったことがその一因であると考えられる。一方、粗度の大きく異なる磁器質板Aとステンレス板で付着量に大きな差が見られなかったことから、粗度のみが要因とは考えにくい。6)本実験において380mL/L・minの曝気を4時間以上取ると豚尿汚水のpHを8以上に上げることができたことから、今後実証規模での応用を考える際にはこの曝気量を基準に考えることができる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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