【表題】 豚ふんを利用した堆肥脱臭法の検討(第4報)−豚ふん堆肥とオガクズを利用した生物脱臭槽の実証試験−

【著者名】 坂井隆宏;河原弘文;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2007
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 43
【頁】 67−70
【要約】 実証規模による豚ふん堆肥とオガクズを利用した生物脱臭槽の設置、運転を行い、その能力について検討を行った【材料および方法】@ 試験装置として既存の通気型豚ふん堆肥舎を改造してリングブロワーおよび配管を増設して、2槽ある発酵槽のうち一方を脱臭槽とした。A 発酵槽では水分調整した豚ふんを約1mの高さに堆積させて発酵させ、脱臭槽に豚ふん堆肥とオガクズを乾物換算で1:0.75程度に混合して水分を55%程度に高めた混合物を約1mの高さに堆積させて脱臭槽とした。B 堆肥舎の発酵槽を開閉可能なターポリン製のカーテンで密閉し、発酵槽から豚ふん発酵時の臭気を吸引し、既存の配管に接続して脱臭槽の底部から臭気を112日間送入した。C 配管およびカーテンの骨組みは当場の職員で自作した。カーテンの骨組みは廃材鉄管などを使用した。D 臭気成分として7日毎にアンモニアと硫黄化合物(メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル)を測定した。また脱臭槽の成分について測定した。【結果】@ 堆肥舎外部への臭気の漏出はほとんどなく、脱臭用ブロワーでほぼ吸引できたものと考えられる。A 試験期間中のアンモニアとメチルメルカプタンの除去率はほぼ90%以上を維持した。また、硫化メチルと二硫化メチルの除去率は一次的に低下する場合が見られたものの、ほぼ70%以上を維持した。硫化水素はほとんど検出されなかった。B 試験期間中、脱臭槽の水分が40%以下まで低下したため、56日目に約1.8tの加水を行った。C 脱臭槽中の窒素変化ををみると、臭気中のアンモニアに由来すると思われる窒素成分が脱臭槽中で上昇し、特に硝酸態窒素の増加が著しく、試験終了時では開始時の500倍以上に達した。亜硝酸態窒素は漸増する傾向を示し、有機体窒素とアンモニア態窒素の値は試験期間を通じてほとんど変化はなかった。全窒素の含量は試験終了時に開始時の約1.8倍となった。D pHは試験期間を通じて徐々に酸性に傾く傾向を示し、ECは試験の最終時期を除いてほぼ上昇を続けた。【考察】@ 本試験の結果から、豚ふん堆肥とオガクズを混合して水分を保持することにより、堆肥化の際に発生が多いとされるアンモニアと硫黄化合物をについて実証レベルでも高い除去率が得られることが確認された。A 農家が容易に入手可能な資材を利用した脱臭施設であり、市販の脱臭装置の能力には及ばないが、簡易脱臭施設としては充分な能力を持つものと推測される。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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