【表題】 養豚排水浄化におけるバイオジオフィルターの高度処理への適用

【著者名】 河原弘文;坂井隆宏;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2007
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 43
【頁】 71−76
【要約】 本研究では、養豚排水浄化処理における活性汚泥法の後段での高度処理法として鉱物ろ材に鹿沼土を充填し、窒素・リンの吸収量が高くかつ栽培管理が容易であるソルガムを夏季に、イタリアンライグラス(以下、IR)を冬季に植栽したバイオジオフィルター(以下、BGF)の窒素・リン除去能について調査した。【材料および方法】@ BGF水路は、当畜産試験場の養豚排水浄化処理施設に隣接する圃場に幅1.0m×長さ5.5m×深さ0.3mの直方体の穴を掘り、その表面を防水シートで覆い水路を形成した。排水口は深水が0.15mとなるように設置した。A ソルガムを植栽したBGF(以下、ソルガムBGF)実験では当試験場の養豚排水を活性汚泥法により処理したものを原水として用い、ポンプで1日1回約15分かけて約140L投入した。ソルガムの播種日から93日間流入させ、終了日にソルガムを収穫した。B ITRを植栽したバイオジオフィルター(以下、イタリアンBGF)実験では、当試験場の養豚排水を活性汚泥処理し、さらに後段において脱窒処理したものを原水として用いた。その原水を脱窒装置から連続方式で1日あたり35〜95L投入した。鹿沼土はソルガム実験で使用したものを入れ替えず継続して使用した。鹿沼土表面へのIRの播種日から98日間原水を投入し、終了日にIRを収穫した。【結果および考察】@ T-N除去速度はソルガムBGFで0.85g/u・dとイタリアンBGFの0.60g/u・dに対して1.4倍であった。このT-N除去速度の差は、植物による吸収速度においてソルガムがIRの1.2倍、植物の吸収以外のT-N除去速度においてソルガムBGFがイタリアンBGFの1.7倍であったことによる。A T-P除去速度はソルガムBGFで0.48g/u・dとイタリアンBGF 0.11g/u・dの4.4倍高い除去速度であった。この差は植物吸収以外の土壌による吸着・微生物の摂取(ソルガムBGFでは0.40g/u・dとイタリアンBGFの0.06g/u・dに対して6.7倍)によるところが大きい。B BGFにおけるT-N除去速度は植物による吸収速度と脱窒速度が大きく影響し、T-P除去速度は鹿沼土によるリン酸固定化と微生物によるリン摂取が大きく影響を与えていると推測された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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