【表題】 豚ぷん堆肥を利用した堆肥脱臭法の検討(第5報)−ターボブロアーを利用した豚ふん堆肥脱臭の実証試験−

【著者名】 河原弘文;坂井隆宏;下平秀丸
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2009
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 45
【頁】 63−67
【要約】 本試験では豚ふん堆肥化時に発生する臭気を対象に、脱臭材料として豚ふん堆肥とオガクズを混合したものと脱臭用ブロアーとしてターボブロアーを組み合わせた脱臭法の持つ能力について、実規模での試験を実施し評価した。【材料および方法】@ 脱臭材料は定期的に切り返しをしながら3ヵ月程度堆肥化した豚ふん堆肥にオガクズを混合したものを使用した。豚ふん堆肥とオガクズを重量比(乾物換算)1:0.75程度で混合し、水分含量は約60%に調整した。A 臭気発生用材料は豚ふんを使用し、堆肥化時に発生する臭気を脱臭の対象とした。臭気発生用材料は毎週1回の頻度で分を水分約55%になるように戻し堆肥と混合し作成した。臭気発生用材料は1mの高さに堆積し、ブロアーを利用して堆肥化槽の底部より送風した。臭気発生用材料への送風は発酵状況を考慮し、30分の間欠で行った。B 脱臭材料を約1mの高さに堆積した。堆肥化槽で発生した臭気は堆肥化槽上部のダクトからターボブロアーを用いて吸引し、脱臭槽底部から脱臭材料に送風した。ターボブロアーの風量は約6.0?/分であった。【結果】@ 脱臭能力の評価:試験期間112日間を通して畜産業に起因する悪臭の主成分であるアンモニアについては98.8%以上の除去率が得られ、またメチルメルカプタンは91.6%以上の除去率を維持した。一方、硫化メチル、二硫化メチルは変動が観察され、その最低値は二硫化メチルが80.9%、硫化メチルが63.7%であったが、それぞれの平均値が96.9%、94.6%と高い除去率が得られた。A 脱臭材料の開始時の水分含量は60.0%であり、終了時は64.7%であった。高さ20cm毎の水分含量は63.2〜64.9%と大きな差がなかった(脱臭槽底部から20cmまでは67.8%であった)。【考察】@ 簡易な脱臭法としては充分な脱臭能力をもつことが確認された。A アンモニア、メチルメルカプタンの安定した高い除去率が得られた理由の一つとしては、脱臭材料の含水率が開始時の60.0%から終了時まで大きく変動しなかったため、両者が脱臭材料中の水分に安定的に溶解したことが推測される。B 硫化メチル、二硫化メチルにおいてはオガクズが除去率の向上に貢献していると考えられる。C リングブロアーを脱臭用ブロアーとして利用した試験では、42日後に脱臭材料の含水率が40%以下に低下している。この脱臭材料の含水率の経時変化を考慮すると、長期的な連続運転をするならば、脱臭用ブロアーはリングブロアーよりターボブロアーが適していることが確認された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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