【表題】 MAP法による脱水濾過液のリン除去・回収技術

【著者名】 脇谷裕一郎;石田 稔;内田敏博;古田祥知子;関戸正信;河原弘文;下平秀丸;川村英輔;鈴木一好
【所属】 佐賀県畜産試験場;戸上電機製作所;佐賀県窯業技術センター;神奈川県農業技術センター;(独)農研機構・畜産草地研究所
【発行年】 2010
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 46
【頁】 58−63
【要約】 陶器製の回収部材を利用したMAP法によるリン除去・回収において、ふん尿混合割合が高く浄化処理の前処理として汚水脱水機を利用している養豚農家の汚水を供試し、散気管および曝気量を改良したリアクターによるリン除去・回収試験を実施した。【材料および方法】@ 試験は、県内養豚農家の既存標準活性汚泥処理施設で実施し、MAPリアクター、送風機およびMgCl2・H2O溶解タンクを新設した。A 施設における処理対象頭数は母豚110頭一貫規模で、日排水量は16.5?となっている。B 豚舎から排出された汚水を0.5mmスクリーンで固液分離した後に、汚水脱水機において(強カチオン系)高分子凝集剤および機械分離した脱水ろ過液を曝気槽に投入、活性汚泥処理して河川放流を行っている。C MAPリアクターは有効容量250L(直径500mm×高さ2,000mm)のステンレス製で、曝気高率を向上させるために微細気泡散気管を3基設置し、送付機で45?/?・時の条件で曝気処理を行った。D 供試汚水は、脱水ろ過液を利用して、5分間隔で1日当たり4.8?をリアクターに投入した。さらにMAP反応を促進させるために、30%MgCl2・H2O液を5分間隔で10L/日 添加した。供試汚水のMAPリアクター内滞在時間は1.25hrsとなった。E MAPリアクターの設置コストは、工事費、機器類および回収部材込みで約150万円となった。F 回収用部材は、前報(本データベース11512)と同様に水田土壌、砂等を原料とした星型の陶器部材(24本)を利用して、あらかじめ30%MgCl2・H2O液に浸漬処理した後に供試した。【結果および考察】@ MAPリアクターに微細気泡散気管を設置して、曝気量を45?/?・時に増加させることによりMAP回収効率が、前報においては汚水中の投入リン1kgに対し回収されたリン量は0.06〜0.07kg、部材1本当たりの回収量は11.4〜22.2gであったものが、本試験においては部材のみの場合に0.33kg、部材容器に付着したMAPを含めた場合には0.46kg、部材1本当たりの回収量は99.0gと高い回収効率を示した。A しかし、原水および脱水ろ過液中のpH上昇に伴い、MAP反応に必要となる水溶性PO4-P濃度が減少している。そこで、年間を通じて安定したリンの回収量を確保するために、原水および脱離ろ過液中のpHを低く制御して、高濃度の水溶性PO4-P濃度を維持した状態でMAPリアクターに投入できる技術として、原水および脱離ろ過液中のpH制御方法等を検討する必要がある。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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