【表題】 養豚排水処理による温水効果ガス排出削減技術の開発(第2報)−NO2を組み込んだ養豚汚水処理の窒素除去モデル−

【著者名】 河原弘文;脇谷裕一郎;山下恭広;長田 隆
【所属】 佐賀県畜産試験場;(独)農研機構・畜産草地研究所
【発行年】 2011
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 47
【頁】 32−34
【要約】 窒素除去過程において亜硝酸(NO2)が蓄積した条件では、温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)が発生する可能性が高くなる。このため、亜硝酸を含んだ窒素動態モデルは一酸化二窒素の発生予測に利用できると考えられる。そこで、間欠曝気法による養豚汚水処理を対象として亜硝酸を新たに組み込んだ国際水協会(IWA)活性汚泥モデルNo.3(ASM3)の適用を試みた。【材料および方法】(1)間欠曝気法における窒素除去試験:養豚汚水を対象に有効容量3.0Lの活性汚泥試験装置を用いて、1時間毎の間欠曝気法(22時間)での浄化処理における窒素動態・溶存酸素濃度の時間変化を実測した。(2)活性汚泥モデルの適用パラメーターを実験あるいは文献値により決定し、活性汚泥モデルで反応槽内における窒素動態・溶存酸素の時間変化を予測した。シミュレーションにはASM3の改変モデルにNO2-を組み込んだモデルを使用した。【結果および考察】@ アンモニア性窒素(NH4-N)は開始1.5時間後から減少し始め16時間後にはほぼ0mg/Lとなったことから、アンモニア(NH4+)酸化反応は進行し16時間後には終了したと推定される。A 亜硝酸性窒素(NO2-N)は開始1.5時間後から蓄積が観察され、15時間後にピークに達して、その後ゆるやかに減少していった。硝酸性窒素(NO3-N)は蓄積が観察されなかった。B 亜硝酸蓄積が観察され、硝酸(NO3)蓄積が観察されなかった要因の一つとして、亜硝酸酸化細菌はアンモニア酸化細菌と比較して酸素依存性が高く、簡素濃度が低い条件では亜硝酸酸化細菌の増殖が強く抑制されることが上げられる。このことが硝酸酸化反応(NO2-→NO3-)を抑制していたと推測される。もう一つの要因として脱窒反応による亜硝酸の消費がある。C 開始約12時間後まではASM3によるモデル予測は実測と比較してアンモニア性窒素濃度で高く、亜硝酸性窒素濃度、溶存酸素濃度で低い傾向ではあったがおおむね実測値を再現しており、また、亜硝酸蓄積減少も再現していた。D したがって、ASM3に亜硝酸を組み込んだモデルの構造および設定したパラメーター値が適切であり、間欠曝気法による養豚汚水処理を対象として適用可能であることが示唆された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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