【表題】 微細気泡オゾンを利用した畜産排水処理水の脱色効果

【著者名】 脇谷裕一郎;松尾俊徳;高柳典弘;ト部大輔;河原弘文;永渕成樹
【所属】 佐賀県畜産試験場;(株)戸上電機製作所
【発行年】 2012
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 48
【頁】 30−34
【要約】 畜産排水の汚水処理は、活性汚泥微生物による酸化処理が主体であるため、難分解性の色素成分の除去に必ずしも期待通りの処理性能が得られていない。色素成分の除去方法としてオゾン等が利用されているが、汚濁成分濃度の高い畜産排水に適した高度処理が求められている。そこで、処理効率が高い微細気泡オゾンを利用した畜産排水処理水の脱色効果について検討した。試験は、微細気泡と通常の気泡とのオゾン脱色能力の比較と併せて亜硝酸性窒素による脱色に及ぼす影響をバッチ式の室内規模装置で試験を行った後、豚舎および乳牛舎汚水を1日当たり12?処理する連続式の実規模施設において、年間を通じた脱色効果の試験を行った。【結果および考察】@ 室内規模試験では、微細気泡発生ノズルを取り付けて発生させた微細気泡は、ノズル無しで発生させた通常の気泡と比較して、オゾンによる脱色能力が高くなることが確認された。その原因として微細気泡は通常の気泡よりもオゾンの吸収効率が高いので、脱色高率が向上したと考えられる。A 処理水に亜硝酸性窒素を添加することで脱色が抑制されることが確認され、さらに、色度が低い場合でも亜硝酸性窒素濃度が高いと脱色が抑制された。B 実規模施設では、年間を通じて安定した脱色が確認された。その要因としては、オゾン脱色の阻害要因となるBOD(有機物)や亜硝酸性窒素濃度を曝気処理の段階で低下できたことと併せて、MF膜処理によりSS(汚泥)のオゾン脱色装置への流入を防いだことで、色素成分を効率的に除去できたことが推測される。C BOD濃度は、脱色前と比較して脱色後での増加が確認された。色度以外のBOD、T-N成分等は処理後も顕著な減少が確認されなかったため、曝気処理の段階で除去を行う必要があることが推察された。D 実規模施設でのオゾン反応におけるオゾン消費率は99.7%となった。E 以上の結果より、微細気泡オゾンは、通常の気泡よりもオゾン脱色効果が高いが、処理水中の亜硝酸性窒素濃度が高い場合、開始時の色度に関係なくオゾンによる脱色速度は低下した。そのため、曝気処理の段階でBODや亜硝酸性窒素を低減することで、年間を通じて安定した脱色効果が得られたものと考えられる。F 活性汚泥処理水にオゾン処理を行うことで脱色効果と併せて塩素よりも高い殺菌効果があり、畜舎の洗浄水や消毒薬の代替利用が可能となることで、畜産経営内のコスト低減化につながる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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