【表題】 家畜糞尿汚水浄化処理における効率化技術の検討

【著者名】 落合健吾
【所属】 埼玉県畜産試験場
【発行年】 1991
【雑誌名】 埼玉県畜産試験場研究報告
【巻】 28
【頁】 10−13
【要約】 豚汚水中の汚濁物質、特にタンパク質を対象にその構成成分を明らかにし、それらに対応する微生物等の効率的な処理を行うため基礎試験を実施検討した。【材料および方法】@供試汚水:当場豚ふん尿汚水10Lに豚ふん1.5kgを加え、28メッシュの網を通して用いた。A調査項目(1)タンパク質の回収と定量:定量は次の3種の方法で行った。ア.ケルダール法 イ.ビューレット法 ウ.ローリー法 (2)定性的分画 ア.SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法 イ.ゲルろ過法 【結果および考察】(1)タンパク質の定量と回収性:遠心分離とホモジナイズの組合せによる反復は、汚水中のタンパク質の回収率を上げるために有効な手段であった。1回目の反復では、ケルダール法42.6%、ビュレット法44.8%、ローリー法37.4%であったものが、5回反復するとケルダール法71.9%、ビュレット法72.4%、ローリー法61.2%の回収率が得られた。6回目以降の回収率は1.0%以下とほぼ一定となった。したがって、この手法では5回までの反復が適当ということが分かった。(2)回収タンパク質の定性的分画:タンパク質の定性的分画を相対移動度から推定することができるSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって行った。タンパク質が30〜35分画に分かれていることがうかがえたが、多くの分画は特定することができなかった。これは泳動像の不明瞭化に基づくもので、この原因と考えられるのが、@脂質などの阻害物質の含有性、A飼料の負荷、Bゲル濃度、C泳動時間と電圧である。脂質の除去については、試料をエーテルにとかして行ったところ、明瞭な泳動像となったが、良好な定性的分画は得られなかった。吸収波長のスキャンニングは、485nmおよび紫外部領域に高い吸収物質が認められ、多くの有機物、無機態窒素、炭酸などが認められた。(3)曝気処理による汚水タンパク質の変動:曝気処理による汚水中のタンパク質成分の変動は、10h曝気から影響が認められ、30h曝気から40h曝気で平衡に達し、40h曝気から50h曝気でさらに低分子化へと移行した。タンパク質の定性的変動は肉眼的観察ともほぼ一致していた。今後さらにこれらの変化を短時間で移行可能な処理法の検討が必要である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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