【表題】 堆肥中の未分解繊維を分解促進させるための試験

【著者名】 丸山国美;落合 晋;五十嵐光三
【所属】 埼玉県畜産試験場
【発行年】 1992
【雑誌名】 埼玉県畜産試験場研究報告
【巻】 29
【頁】 69−71
【要約】 畜舎の敷料および水分調整剤として利用されるオガクズは畑作物の肥料として還元された場合、未分解繊維により作物の発育が阻害される恐れがあるとされている。そのため、耕種農家との結びつきを考慮したオガクズ堆肥の利用を促進するため、嫌気性菌及び好気性菌を主剤とした添加剤を用い検討した。【材料および方法】@試験期間:平成2年10月18日より12月27日 A試験方法:豚ふん30kg、オガクズ6kgに主としてフラボバクテリウム、プレビバクテリウム、アクチノミセス、ムコール、ノカルジア、アスペルギルス、セルモナス、クロストリジウム等23種を含む添加剤7kgを加えて、市販のコンテナ(縦41cm、横61cm、深さ31cm)に積込み、発酵状態と臭気の発生等についての測定を実施した。[堆肥の切り返し]約1週間毎に実施。[堆肥成分分析][堆肥における繊維分析][コマツナ発芽試験]【結果および考察】試験区では急激な温度低下は見られず徐々に下がったのに対して、対照区では極度に下降し、その後の切り返しでも温度の上昇は見られなかった。このことから堆肥積込み時に添加剤を加えることによって堆肥の完熟化を早めるものと思われる。また、堆肥の臭気については、試験区ではNH4臭が積込み後5日後から発生し、8日目が最高で30ppmで、14日目以降はNH4臭は検出できなかった。これに対し、対照区は4日目に微臭があり10日目に55ppmとなり31日間を経ても14ppmと臭気が残った。アミン類については試験区、対照区とも堆積後2日目に発生し、最高値はいずれも5日目で、試験区が18ppm、対照区が30ppm以上を示した。その後、試験区では11日目から検出されなかった。これに対し、対照区ではNH4臭と同様に31日まで消失しなかった。堆肥重量、含水率、pHに差はみられなかった。T-C(総炭素)は試験区が18.9%で対照区が16.4%と試験区が対照区よりも高かった。T-N(総窒素)は試験区が4.1%、対照区が2.8%で試験区が対照区に比べて高い値を示し、肥料効果を高めるものと思われる。C/N比では試験区が4.6、対照区が16.1と試験区が対照区に比べて低値を示した。粗繊維については試験開始前と終了後で、試験区が23.7%、対照区10.6%の減少を示し約10%の差が認められ、添加剤を加えることによって繊維含有量が減少され、土壌還元した場合土壌中での二次発酵を減少させる傾向を示した。発芽試験では両区とも100%の発芽率であった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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