【表題】 活性汚泥法と生物膜法の組合せによる畜舎汚水浄化性能の改善

【著者名】 落合 晋;五十嵐光三;丸山国美
【所属】 埼玉県畜産試験場
【発行年】 1993
【雑誌名】 埼玉県畜産試験場研究報告
【巻】 30
【頁】 30−32
【要約】 畜舎汚水処理の主流とされる活性汚泥法は、確立された技術であるが、不適切な維持管理に伴う処理水の悪化、窒素、リンの除去不十分等の問題点が残されている。そこで、処理水質の不安定性や維持管理および脱窒の補強を目的として、生物膜法を組み入れ畜舎汚水に対する適用性について検討した。【材料および方法】@供試汚水:豚ふん2kgを水20Lに溶解し、32メッシュの網を通して粗大固形物を除去し、さらにBOD容量負荷0.5、1.0、1.5、2.3および4.5(kg/?/日)、BOD-MLSS負荷0.3〜0.5(kg/MLSS/日)、溶存酸素量1.0〜3.0(mg/L)となるように汚水を調整した。A供試ろ材:網状の人工ろ材:多量の汚泥を付着固定し菌体の生育に伴う目詰まりが少なく、また、構造的に循環水がよく撹拌され、基質と生物の接触効率がよいとされている。材質はポリプロピレン100%で、空閑率95%、比表面積60u/?、充填密度25kg/?である。このろ材の径深は約0.6cm前後であるから産業廃棄物の径深約1.48cmに比べるとかなり高い接触効率である。B実験装置:約5Lの水槽にろ材を浸漬充填し固定床の試験区とした。対照区は無充填とした。【結果および考察】@BOD容積負荷別の処理効果:1) SS、COD、BODおよびT-Nは試験区、対照区ともに負荷が高くなるに従い低下した。2) SSは各負荷において試験区が上回った。これは、ろ材の持つ浮遊物補足性に基づくものである。一方、対照区は浮遊物が各水位毎に滞留しているのが明らかに認められた。従って、この不完全沈降物を除去する意味からも、ろ材利用は有効と考えられる。3) CODとBODは1.0kg/?負荷で試験区が上回り、これより高い負荷では対照区が上回った。これは、対照区が汚濁粒子との接触割合が高かったことを意味しているのに対し、試験区はろ材による通水抵抗の増加や膜汚泥形成に伴う流路の変更及び制限等によるものであると考えられる。4) T-Nは1.0kg/?負荷で試験区が上回っていた。しかし、これは浮遊物捕捉性に起因するもので、生物膜の特徴である嫌気性菌による脱窒作用は低かったと考えられる。これは、溶存酸素量が高かったことが原因と考えられるが、極端に低く抑えるとBODへの影響も懸念されるので、目的に応じ個々に分離処理を行うのが良いと思われる。A生物相比較:試験区は対照区に比べ生物相が広範囲に確認された。以上のことから、ばっ気槽へのろ材浸漬は、負荷条件により、浄化性能の改善に期待できる可能性が認められた。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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