【表題】 植物利用による畜舎排水リサイクル技術の開発

【著者名】 松本竹男;崎尾さやか;塩入陽介;小滝正勝
【所属】 埼玉県畜産試験場
【発行年】 1995
【雑誌名】 埼玉県畜産試験場研究報告
【巻】 33
【頁】 79−83
【要約】 畜産排水中の窒素とリンを肥料成分と考え、バイオジオフィルター(ろ材+植物)により吸収除去すると共に、畜舎周辺の環境の美化にも利用するため、試験を実施した。【材料及び方法】@施設の概要:ビニールハウス(3.6m×6m=21.6u)内にU字フレーム(長さ2m、深さ0.5m)を2本連結し4列配置した。フレーム内にプラスチック製のコンテナ(有効内寸479×322×290mm)を5個配列し、コンテナ内にはゼオライトを充填した。A試験方法の概要 (1)供試汚水は、当場の浄化槽処理水(活性汚泥法;原水は豚舎汚水と屠場排水)(2)試験区分はろ材(ゼオライト)と植物(供試作物はペパーミント、カラー及びパピルスで、栽培中のものを株分けした)の組合せにより、異なる4区を計4回実施した。【結果及び考察】[試験T]@ 試験区においてMg、K及びCaの除去率が高く優れ、各々70%以上であった。ClとSO4は対照区と著差がなく、投入水に比べ増加傾向にあった。A 対照区が優れたのは(除去効果のあった)PO4-P、NO3-N及びNaであり、試験区では横ばいないし、増加している。特にNaでは4倍以上も増加していた。B CODはいずれも20%以上の除去率であったが、試験区がやや優れた。C 富栄養化の原因物質であるP、Nを除去する目的であったが、試験区よりも供試水を静置した対照区の方がまさった。しかし、NはT-NではなくNO3-Nでありろ材等に発生した脱窒菌よる影響が大と考えられた。[試験U]ろ材とろ材+植物(収穫・移植)の比較であるが、EC、Cl及びNO3-Nはいずれもやや増加し、Naは大幅に増加した。除去効果の表れたのはMg、K、Ca及びCODで試験Tと同傾向であったがPO4-PとSO4はまちまちであった。[試験V]ろ材とろ材+植物(パピルス移植とミントの収穫前後)の比較であるが試験T同様EC、NO3-N、SO4及びNaが増加し、除去効果の表れたのはMg、K、Ca及びCODであった。試験Uと異なり4区のミント収穫後も水質は悪くならなかった。これは収穫方法をろ材部より5cm以上とし、なおかつ一芽残したことにより、枯死もなく新芽が順調に成長したことによると考えられる。[試験W]試験Vの向寒時を調査した。増加はCl、NO3-N、Naと一部Caで試験Tと同様であるが、Mg、K、CODに加えてEC、SO4で除去効果が表れた。[まとめ]試験T〜Wを通してみると、Mgで80%、K及びCaで70%と高い除去率が、供試汚水の累積量の増大と共に各々20%、43%と一定量減少している。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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