【表題】 家畜糞尿の完全利用に関する試験

【著者名】 狩野 尚;斉藤孝夫;高玉精一;春日 博;佐藤春治
【所属】 宮城県農業試験場;宮城県畜産課
【発行年】 1971
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 12
【頁】 202−204
【要約】 乳牛1頭1年間の排泄ふん尿を放牧地に還元し、その肥効を化学肥料と対比してふん尿を還元する面積を検討した。【材料および方法】@試験年次:1965〜1968年 A試験場所:宮城農試第二圃場 B供試牧草:1963年4月・混播;オーチャードグラス、ラジノクローバ C試験区:1区20u、3反復 D施肥条件[ふん尿区]乳牛の1年間1頭当たりの排泄量を尿6,600 L、ふんを9,700kgと想定し、尿については1回目2,100 Lを4月(1968年のみ5月)に、5月〜10月に1,500 Lを3回、ふんについては1回目3,700kgを4月(1968年のみ5月)に、5月〜11月に1,500kgを4回、牧草地20aと40aに均一に施用した。[化学肥料区]ふん尿に含まれると考えられる成分量を40aに施用した(N 24kg、P2O5 10kg、K2O 20kg/10aに対し、硫安、過石、塩化を使用した)。【結果および考察】(1) 生育:家畜ふん尿施用による生育の影響については、初年度(1965年)春(4月)と夏(7月)に肥やけと考えられる生育の抑制が認められたが、年と共に肥やけの影響は見られなくなった。葉色および草勢は年次が進むにつれて、化学肥料>ふん尿20a>ふん尿40aの傾向があり、特に最終年次(4年目)において化学肥料の容色に濃緑が著しかった。(2) 生産量:@ 乳牛の1年1頭排泄ふん尿を牧草地40aに還元すると、同一成分と考えられる化学肥料施用の64〜79%(4年間平均生重量で74%)の生産が可能であったが、化学肥料施用に比べ大幅に減収した。10a当たり約4.1tの生草生産が可能であった。A 20a還元においては化学肥料施用の88〜105%の生産量を示し、ふん尿による生育の抑制もほとんど認められず、本試験4年目においても89%の生産が可能であった。4年間平均94%の生産を示し、肥やけの収量抑制もみられず40a還元に比べ良好な結果を示し、10a当たり約5.2tの生草生産量が得られた。(3) 植生:草種割合はふんによる野草の影響が考えられたが顕著ではなかった。しかし、各区とも年次が進むと共に野草の割合が高くなった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る