【表題】 硫酸鉄を主剤とする脱臭剤で処理した乾燥鶏糞による肉豚肥育試験

【著者名】 早川英輝;大川原 寛;和賀井文作
【所属】 福島県畜産試験場;農林水産省畜産試験場
【発行年】 1972
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 13
【頁】 206−210
【要約】 硫酸鉄を主剤とした脱臭剤(商品名「エフニック(以下、ef)」)で鶏ふんを処理することにより鶏ふんの発酵を防止し、その臭気を防ぐことが実用化されている。本報では、このefで処理された鶏ふんについて豚を用いその飼料価値を検討した。また、鶏ふんの発酵防止に用いられた鶏ふん中の脱臭剤が、二次的に豚の腸内を通ることにより、豚ふんの臭気抑制剤になり得るかどうかについても検討した。【試験方法】@試験期間:139日間 A 1区4頭の2区を設け、対照区は産肉検定用1、2号を不断給餌にし、試験区については、対照区の給与飼料の30%をefで処理した乾燥鶏糞で代替し不断給餌にした。試験区の飼料は試験開始時から1週間は10%ef処理鶏糞混合、次の1週間は20%混合とし3週目より本試験とした。しかし、ef処理鶏糞摂取を30%に維持するのは非常に困難であったので、47日目より鶏糞混合割合を10%まで落として試験を実施した。【結果および考察】@体重の発育:試験区は対照区に比べてかなり劣っていた。特に開始後3週目からその差が著く、4頭の内2頭がかなり激しい下痢をするようになった。その後、47日目以降も下痢をした2頭の発育は回復しなかった。しかし、試験区の他の2頭の発育は試験中期頃より非常に良くなり、対照区をやや上回った。A飼料要求量:全期にわたり、試験区は飼料要求量が対照区よりもかなり多くなっていたが、給与飼料量は対照区293.8kg、試験区351.6kgで、試験区はef処理鶏糞量を除くと306.0kgとなり、試験区も対照区とほぼ同量の濃厚飼料を摂取している。Bと体成績:試験区と対照区に大差はなかった。C107日齢、157日齢時の豚ふんを採取したところ、有害窒素であるアンモニア態窒素は対照区1,940ppm、試験区は186.5ppm、アルブミノイド窒素は対照区1,820ppm、試験区639ppmと試験区は対照区に比べて極端に少なくなっている。このことより、鶏糞の臭気防止に用いられた脱臭剤が二次的に豚ふんの脱臭効果をもたらしているように思われる。D 試験区の方が対照区よりも対照区よりも摂取飼料量が多く、結局、摂取窒素量が多いのにもかかわらず、排泄窒素量が少なくなっている。Eさらに体重60kg前後の豚5頭を用いて、ef処理乾燥鶏糞の消化試験を実施した。ef処理鶏糞中の粗蛋白質は31.8%であり、その消化率は71.2%で極めて高く、可消化蛋白質は、DMに対し24.8%と蛋白質源として非常に価値のあることが分かった。一方、TDNはDMに対して27.4%と、エネルギー源としてはef処理鶏糞の価値は非常に少ない結果となった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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