【表題】 硫酸鉄を主剤とする発臭防止剤による鶏糞の臭気発生防止試験

【著者名】 坂本光男
【所属】 福島県養鶏試験場
【発行年】 1972
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 13
【頁】 210−212
【要約】 現在、鶏ふんの悪臭を除去する方法として物理的に処理するものと、化学的に処理するものとがあり、筆者が使用した硫化鉄主剤とする発臭防止剤は後者の一つで、硫酸鉄に硫酸と粉炭燃焼灰とを処理して製造した物質である。この防止剤処理鶏ふんは悪臭の発生を抑制すると同時に肥効成分の揮散を防ぎ、成分も安定し有機質肥料の性格を保持するといわれているので、その効果を検討した。【材料および方法】@ 発臭防止剤(常磐化学(株)提供F剤)の化学組成(Fe 8.8%、SiO2 2.9%、Ca 2.3〜4.4%、K 1.2%、Mg 0.7〜1.1%、P 0.6%、Zn 150〜250ppm、Mn 90ppm、B 60ppm、Mo 2〜3.5ppm、H2O 20.0%)A 研修鶏舎(198u)に収容飼育の白レグ成鶏290羽のふんを1万羽用・再燃脱臭装置付火力乾燥機で乾燥した。B 発臭防止剤散布方法:鶏ふん重量の約10%量を除ふん後の床面に60%散布、さらに4日目に残りの40%を鶏ふん上に再散布、7日目に採ふん乾燥した。【結果および考察】@ 火力乾燥時の排ガスの臭気度:F剤使用(再燃焼脱臭)135〜140(再燃焼脱臭なし)160〜163、F剤使用しない(再燃焼脱臭)1,600(再燃焼脱臭なし)1,150〜1,200;最も発臭防止効果が優れた区は防止剤と再燃焼を併用した区で、次いで発臭防止剤添加、再燃焼併用しない区であったが、その差は僅差である。発臭防止剤の使用効果は極めて顕著であり、約10分の1に減少した。しかし、再燃焼においては脱落した羽毛等が焦げる臭気が加わる傾向があり、脱臭の効果は今回のテストにおいては認められなかった。A 鶏舎内の臭気:見学者30人によるアンケート調査によると、発臭防止剤を散布した鶏舎では鶏ふん臭を訴えるものは1人もなく、わずかに5人がアンモニア臭を訴えたのみであった。これに反し、発臭防止剤を散布しない鶏舎は、全員が鶏ふん臭を強く感じ、アンモニア臭を訴えたものが23名もいた。発臭防止剤の効果は明らかに認められた。B 肥料成分の分析:肥料成分の分析結果は、窒素、りん酸、加里の肥料3要素とも、生の新鮮鶏ふんが最も多く、発臭処理区、無処理区の順であった。発臭防止処理剤は窒素成分の揮散による損失をおさえ、成分生産量が多いことが明らかに認められた。C 以上の点より、硫酸鉄を主剤とする発臭防止剤は鶏ふんの悪臭を除去し、鶏ふん中の肥料成分の揮散を防ぐことにすぐれた効果のあることを認めた。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る