【表題】 畜種別糞尿の草地への多量施用の影響について

【著者名】 久根崎久二;佐藤勝郎;落合昭吾;小針久典;伊藤陸郎;小原繁男
【所属】 岩手県畜産試験場;浄法寺営農高等学園
【発行年】 1977
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 19
【頁】 80−82
【要約】 牛尿、牛ふん尿、豚ふん、鶏ふんについて、施用量と牧草の草生、硝酸態窒素含量、無機成分組成および土壌の化学性について検討した。【材料および方法】@ 供試草地:オーチャードグラス草地(昭和45年造成)A 試験期間:昭和47〜50年 B 供試ふん尿の成分(3ヵ年平均%)牛尿(N:0.15、P2O5:0.02、K2O:0.29、CaO:0.03、MgO:0.01)牛ふん尿(N:0.24、P2O5:0.10、K2O:0.37、CaO:0.16、MgO:0.06)豚ふん(N:0.84、P2O5:1.22、K2O:0.37、CaO:1.38、MgO:0.38)鶏ふん(N:1.87、P2O5:2.03、K2O:1.38、CaO:4.55、MgO:0.54)C ふん尿の施用量は窒素成分量を基準とし、a当たりN成分で5〜20kg(鶏ふんは6〜24kg)までの4段階を設けた。施用配分は、牛尿、牛ふん尿は春と晩秋に年間施用量の30%ずつ、2番刈りと4番刈後20%ずつ分施した。豚ふんと鶏ふんは全量晩秋施用である。【結果および考察】畜種別ふん尿のオーチャードグラス草地への多量施用の結果は次の通りであった。@ 収量および草生密度維持の面からの施用限界量は、各畜種とも窒素成分換算量でa当たり10〜15kgの範囲である。A ふん尿の多量施用により牧草中のの硝酸態窒素含量は年々高まる傾向にあるが、3ヵ年の施用結果からみると、Bradleyの基準値0.22%(乾物%)を越す年間施用量は窒素成分でa当たり、牛尿、牛ふん尿は10〜15kg、豚ふんと鶏ふんは10kg以上である。従って、希釈されない原尿換算で1.2t、水分50〜60%の鶏ふんで0.5tである。B 年間生草収量と硝酸態窒素含量の間には高い相関関係があり、年間生草収量がa当たり750kg以上の牧草は硝酸態窒素が0.22%を越す傾向を示した。C 牧草中の無機成分含量は、牛尿、牛ふん尿の施用によりK含量が高まり、Ca、Mgが低下し、K/Ca+Mgの高まりが顕著で無機成分バランスを悪化させた。また、牛尿施用ではP含量も低下した。豚ぷん施用ではK含量が低く、P、Ca、Mgが高められ、K/Ca+Mg比は極めて低く、無機成分バランスが良好に維持された。鶏ふん施用ではCa含量が高く、他の成分は牛ふん尿と豚ふん施用の中間的な傾向を示し、無機成分バランスは比較的良好である。D 土壌の化学性:pHは牛ふん尿(液肥)に比べ豚ふん、鶏ふんの施用により高められた。牛ふん尿の施用ではK2Oの過剰蓄積が認められ、豚ふんの施用では有効りん酸、CaO、MgOが高められ、鶏ふんの施用では有効りん酸、CaOが高められた。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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