【表題】 牛ふん尿の大量蓄積による飼料作物への長期肥効化

【著者名】 吉田衛史;国分洋一;大橋 功;佐藤勝信
【所属】 福島県畜産試験場;福島県庁
【発行年】 1982
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 31
【頁】 179−180
【要約】 本試験では、自然流下式牛ふん尿を用い、1年間大量に試験地内に施用し、そこから生産されたトウモロコシの品質、並びに土壌中の置換性塩基等について経年的に調査し、有効なふん尿の処理・利用法について5年次までの成果を検討した。【試験方法】試験区は20u1区制とし、1976年4月〜10月の各月、及び1977年3月に牛ふん尿を各々5、10、20、40t/10aを投入、乾燥後耕起を繰り返し、それぞれ40、80、160、320t/10a区とした。土壌改良資材は施用しなかった。施用後、トウモロコシ(アズマイエロー)を供試作物とし、各試験区とも黄熟期に至った時点で刈取調査を実施した。【結果および考察】@ 茎の太さ、稈長および雌穂高の年次変化:茎径は初年次においては160t区、5年次では320t区が太く、5年次においても残効が認められたが、全区とも茎径は短縮した。初年次の稈長は各区とも250cm以上となり、80=160>40=320t区の順であったが、2年次以降はほぼ施用量の多い区ほど高くなった。A 生草収量並びに乾物収量の推移:生草収量は初年次7〜8t/10aから5年次3.8〜4.6t/10aへ、乾物収量は初年次2.9t/10aから5年次1.85t/10aへと同傾向で漸減した。しかし、ふん尿による残効は5年次になっても有り、無追肥でもかなりの収量が長期間にわたって得られることが判明した。B 硝酸態窒素:品質的には初年次においては極めて劣悪なものであったが、硝酸態窒素は2年次に多施用区ほど著しく減少した。しかし、なお危険水準以上であり、3年次以降になってようやく正常値に近づいた。したがって、給与する場合には単味は避け、補助飼料の一部として考えることが肝要である。C ミネラル比:K/(Ca+Mg)me比は初年次においては全区とも高く、5年次に至っても160t区においては依然として高い値を示した。Ca/P比は1〜2の範囲が適正とされているが、Ca含量率が低いため5年次に至ってもいずれの区も1以下であった。D 土壌成分:土壌は当初、置換性塩基が著しく集積していたが、2年次以降は急速に減少し、特にK2O、MgOは大幅に減少した。CaOも減少傾向が認められ、有効態−Pは多施用区での減少が著しかった。なお、pHは変動がわずかであった。E 一時期にせよ、多量施用すると地下水の環境汚染が問題となると思われる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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