【表題】 冬季における側壁カーテンの開閉が舎内環境に及ぼす影響

【著者名】 大谷秀聖;斉藤 克;飯塚 庸
【所属】 福島県養鶏試験場j
【発行年】 1982
【雑誌名】 東北農業研究
【巻】 31
【頁】 185−186
【要約】 冬季において鶏舎内を保温する目的で、大部分の養鶏農家は、側壁カーテンを完全に閉じたまま管理している。しかし、このように鶏舎のまわりをビニール等により密閉した状態で多羽数飼育は、酸素の欠乏あるいは炭酸ガス、アンモニアガス、湿度などの上昇によって舎内環境は悪化し、産卵の低下をまねく危険性もある。そこで、冬季における側壁カーテンの開閉が舎内環境に及ぼす影響を検討した。【材料および方法】@ 供試鶏は昭和56年4月餌付けの当場生産のロード交雑鶏を480羽用いた。A 試験期間は昭和56年11月1日から57年4月30日までの181日間とし、2ヵ月間を1期とする3期に区分して検討した。B 試験区分:カーテン開放区、密閉区を設け、それぞれにおいて、粗タンパク質16%および14%の飼料を給与した場合の生産性についても併せて検討した。【結果】@ 最高温度は舎内の両区において舎外に比べ有意に高くなった。密閉区は開放区より全期で2.1℃高くなった。午前9時の温度も同様であった。最低温度は舎外に比べ舎内は常に4〜5℃高くなっていたが、開放区と密閉区にはほとんど差はみられなかった。D 保温効果にカーテンの開閉による有意差は認められなかった。E CO2濃度には常に有意差が認められ、全期平均で密閉区961.1ppmに対し、開放区は482.8ppmと有意に低くなった。NH3濃度でも、開放区(4.7ppm)が密閉区(13.6ppm)より有意に低い値となった。【考察】@ 産卵にほとんど影響はなく、むしろ環境温度の上昇に伴い飼料摂取量が有意に少なくなり、飼料要求率では開放区の2.51に対して密閉区は2.41と優れる傾向を示した。A しかし、密閉区におけるCO2濃度の平均値961.1ppmは人間の公衆衛生学上の許容濃度である1,000ppmに近い数値であり、またNH3濃度の平均値13.6ppmはかなりのアンモニア臭を感じる状態である。鶏の健康、産卵生理の面からみて最適環境とはいえない。B 従って、充分な換気を行いながら、かつある程度の温度を保ち、低温による飼料摂取量の増加をできるだけ抑えるような側壁カーテンの開閉方法が必要であろう。C そのためには、舎外温度や風などの外部環境を常に配慮した上で、開放する時間や風などの外部環境を常に配慮した上で、開放する時間あるいは開放面積などを調節することが大切と思われる。D CP水準では、産卵率および日産卵量にT期においてのみ有意差がみられたが、これは単にCP水準による影響だけでなく、鶏群の産卵パターンが異なっていることも一つの要因と考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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