【表題】 耕種農家のニーズに対応した豚糞堆厩肥の生産・利用技術の開発

【著者名】 阿部則夫;杉浦千佳子;中村慶逸;忠 英一;細田洋一
【所属】 青森県畜産試験場;青森県畑作園芸試験場
【発行年】 1998
【雑誌名】 東北農業研究 別号
【巻】 11
【頁】 43−54
【要約】 青森県畜産試験場では豚ふん堆厩肥の生産利用システムを効率的に確立する上での参考に資する目的で、平成9年度に青森県畑作園芸試験場と共同で、県内養豚農家および畑作農家を対象に豚ふん尿の処理に関する実態調査を行った。また、調査結果をふまえ平成10年度より豚ふん堆厩肥の生産利用システムの開発に着手した。【実態調査】@ 養豚農家ではふん尿処理施設の整備に対する課題意識は高いものの、供給先の確保が難しく、時には放置や投棄により環境汚染を引き起こしていることが推察された。特に中規模養豚農家(母豚51〜100頭)では、複合経営でも養豚主体型であり、ふん尿の経営内処理が不可能となっていること、および資金不足から多くの問題を抱えている。A もう一つの大きな問題である供給先の確保に関しては、堆厩肥化施設が整い販売を行っている大規模養豚農家においても同じ課題を抱えており、今後どの様にして利用耕種農家を増やすかが課題であると考えられる。B 一方、耕種農家では、いずれの調査農家も施用効果ありと回答しており、このことから「低コスト」で「完熟の」あるいは「扱いやすい形状の」堆厩肥を安定的に生産すれば、その需要は拡大すると考えられる。C 他方、「大根が肥大しすぎる傾向がある」、また、今回は述べなかった鶏ふん施用農家において「にんにくではリンと窒素の成分調整が難しい」との意見もあり、堆厩肥の広域流通を更に促進するためには、各種堆厩肥の作物別の肥効・施用方法(時期・量)を明確にする必要があると思われた。【豚ふん堆厩肥の生産・利用技術の開発研究への取り組み】(1) 実施計画全体の概要:本研究は、とかく畜産サイドが一方的に生産して耕種農家に提供しがちな現在の堆厩肥生産を、耕種サイドの観点に立ちながら「豚ふん尿処理→堆厩肥化→作物への施用」という、地域に根ざした堆厩肥の生産・利用の体系化を図ろうとするものである。(2) 豚ふん堆厩肥の簡易生産・利用技術の確立:本試験は、密閉型発酵装置を用いて腐熟期間の異なる種々の材料(敷料)別堆厩肥を作り、これを作物に施用して生育や品質結果からみた最適堆厩肥を生産するもので、いわば耕種農家に喜んで使ってもらえるような高品質の堆厩肥を生産する技術を開発しようとするものである。◎検討項目:@品質・成分の均一な堆厩肥の通年生産 A飼養形態毎に良・不良のない堆厩肥の生産 B堆厩肥種類別の肥効・施用基準の明確化 Cふん中の種子・病原体等が死滅する発酵技術 D低コスト化
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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