【表題】 夏秋トマトの減化学肥料栽培におけるペレット鶏糞の効果的な施用方法

【著者名】 大森誉紀
【所属】 愛媛県農林水産研究所
【発行年】 2011
【雑誌名】 愛媛県農林水産研究所 企画環境部・農業研究部 研究報告
【巻】
【頁】 27−31
【要約】 愛媛県特別栽培農産物の30%減化学肥料栽培では、施肥窒素の上限が28kgN/10aに設定され、基肥に化学肥料の増施はできない。しかし、有機肥料を効果的に用いて生育初期にも肥効を得ることができれば、トマトの初期収量の向上につながることが期待できる。低温期にも肥料効果が比較的高いペレット鶏ふん(大森、2008)を施用し、生育初期の地力窒素を補う方法を検討した。【材料および方法】(1) 耕種概要:2006年は、5月12日に基肥としてトマト専用エコ有機ペレット(N7%、全有機窒素)を100kg/10a全面施用し、5月31日に1818本/10a定植した。追肥には化成液肥を6月22日〜10月7日まで液肥で1000〜1500倍に希釈し、かん水と同時に施用した。2007年は、5月9日に土壌改良材および基肥(トマト専用エコ有機ペレット)を全面施用し、耕起、畝立てした。5月24日に1620本/10a定植した。追肥には化成液肥を6月27日〜10月11日まで液肥で1000〜2000倍に希釈し、かん水と同時に施用した。(2) 試験区:2006年は、@鶏ふん(多)区(慣行施肥にペレット鶏ふん424kg/10aを追加:供給窒素推定量(基肥N7+鶏ふんN9+追肥N28))、A鶏ふん(少)区(同様にペレット鶏ふん147kg/10aを追加:基肥N7+鶏ふんN3+追肥N28)、およびB農家慣行区(鶏ふん施用なし:基肥N7+追肥N28)を設置した。2007年は、@鶏ふん同時区(農家慣行施用にペレット鶏糞400kg/10aを基肥と同時に全面施用:基肥N6+鶏ふんN8+追肥N28)、A鶏ふん事前区(ペレット鶏ふん400kg/10aを基肥の1ヵ月前に全面施用)およびB農家慣行区(基肥N6+追肥N28)を設置した。【結果および考察】ペレット鶏ふんを基肥に施用することで、2006年は16〜17%の増収となり、2007年は7〜13%の増収となった。収穫段数、収穫果数ともに増加した。ペレット鶏ふんの施用は、トマトの生育前半の茎葉の生長を旺盛にした。8月および9月の収量は農家慣行区に比べ鶏ふんを追加した区で多いことから、生育前半の生育が順調であることが安定結実につながったものと思われる。ペレット鶏ふんの施用量(窒素の供給量は40〜45kgN)が異なるものの収量はほぼ同じであった。このことから、トマトへの窒素供給量は40kgNで良く、また現況のエコえひめ栽培基準(施肥窒素量はトマトで28kgN)は妥当であることを明らかにできた。窒素の吸収パターンは両年ともペレット鶏ふんを施用することで農家慣行に比べ常に多く推移した。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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