【表題】 環境フットプリントと酪農における試算 −環境影響改善と環境負荷の可視化−

【著者名】 荻野暁史
【所属】 農研機構 畜産草地研究所
【発行年】 2013
【雑誌名】 畜産コンサルタント
【巻】 588
【頁】 38−41
【要約】 @ IDF(世界酪農連盟)ワールドデイリーサミット(世界酪農サミット)2013の内、環境特別講演会のセッション1「環境フットプリント」の内容を紹介する。本セッションのテーマである環境フットプリントは、牛乳等の食品のみならず、工業製品等の社会活動全体を指しており、CO2等の温室効果ガス排出量を表すカーボンフットプリント(以下、CFP)、水消費量を表すウォーターフットプリント等の総称である。製品の環境への影響を定量化し、その改善に活用されるとともに、製品に表示して消費者に環境への影響を知らせる(可視化する)目的でも用いられる。日本を始めとする各国でCFPの表示が開始されており、いくつかの国では牛乳・乳製品にも表示されている。IDFでは、2010年にCFP算出ガイドラインを策定・公表した。しかし、温室効果ガスという単一項目で評価することの弊害も指摘されているため、ウォターフットプリントおよび生物多様性についてもガイドラインを検討中である。以下、関連する講演の概略を記す。A カーボン、ウォター、生物多様性に関するIDFガイドライン B[日向貴久氏(北海道立総研中央農業試験場)]日本におけるCFP制度であるが、まず2009年から2011年までの3年間、国の支援により施行された。この試行制度により、多くの製品についてPCR(product category rule:商品種別算定基準)というCFPが計算され、実際に商品に表示された。2012年より本格的に制度が開始され、現在に至っている。2013年8月時点で、84のPCRが承認されており、703の製品についてのCFPが算出され、表示を認可されているが、農産物・食品はまだ少ない。日本の酪農におけるCFPの試算を行った。日本では近年、酪農における規模の二極化が進んでいることから、中規模(搾乳牛40頭・草地10ha)および大規模(100頭・草地60ha)の二種類の酪農場を対象とした。その結果、生乳生産1kgあたりで、中規模農場では約800CO2換算グラム(gCO2e)、大規模農場では約600gCO2eであった。どちらにおいても牛の消化管から発生するメタンが約半分を占めていた。両者の比較では、ふん尿処理における差が大きかった。C[小路 敦 氏(農研機構 北海道農業研究センター)]半自然草地の植物が持つ機能性物質を牛乳等生産物に含めることにより生産物の付加価値を高めることができれば、酪農でも半自然草地が利用され生物多様性維持に貢献できるかもしれない。D その他の講演
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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