【表題】 家畜ふんペレット堆肥の有機質肥料としての利用

【著者名】 松元 順
【所属】 鹿児島県農業開発総合センター
【発行年】 2011
【雑誌名】 土づくりとエコ農業
【巻】 506
【頁】 14−21
【要約】 農業由来窒素の負荷低減を目指して、家畜排泄量の高品質堆肥化、すなわち、ペレット化による広域流通の促進と有機質肥料としての有効利用技術の確立に取り組んだ。その概要を紹介する。@ 家畜ふん堆肥のペレット化技術:1) 家畜ふんのペレット化に1996年からいち早く取り組んだ。堆肥は天日乾燥して40%程度の水分含量を20〜25%に減じた後、5mm大に粉砕し、ディスクペレッターにより成形した。2) 30℃、圃場容水量条件下でペレット堆肥(PT)のびん培養法による窒素無機化試験を行ったところ、豚ぷんPTでは無機態窒素生成量が通常堆肥に比べて少ないものの圧縮程度との関係はみられず、牛ふんおよび鶏ふんPTではペレット化による窒素発現の抑制は認められなかった。よって、家畜ふん堆肥はペレット化しても通常堆肥と同等の窒素無機化速度で肥効が発現すると推論した。3) 取り扱いに優れた高品質PTとして、混練の少ないディスクペレッター(ローリングダイ)方式で製造した家畜ふんペレット堆肥(水分約15%、直径約3mm、長さ約5mm、かさ密度約700kgm-3)は、乾燥により臭気が軽減し、重量・容積が低下するため、保管・流通性に優れる。また、粒径3mm大の粒状肥料との混合が容易で、施肥機による機械散布が可能である。A 堆肥をそれぞれにペレット化した後に混合する方式により、多様な窒素比率および無機化パターンを持つブレンド堆肥を製造することが可能となり、塩基補給のアンバランス解消や機械散布での繰り出し量調整の簡素化にも寄与でき、ペレット堆肥の汎用利用への一助となった。B 作物に対する家畜ふんPTの肥効試験:1) 大半の作物に対し、ブレンド化したPTの単独あるいは化学肥料併用によって、従来の化学肥料主体の施肥法と同等の収量・品質が得られた。2) 実際の流通・利用にあたっては、時期・年次により成分に変動があることに留意する必要がある。3) 畑作物における家畜ふんPT窒素の化学肥料窒素に対する肥効率をまとめると、牛ふん30〜40%、豚ぷん50〜60%、鶏ふん60〜70%と評価された。窒素肥効率は、牛<豚<鶏ふんPTの順に高いが、豚ぷんPTと鶏ふんPTとの窒素肥効率の差は小さく、豚ぷんPTは鶏ふんPTとほぼ同等の肥料窒素肥効性を有すると評価できる。C 家畜ふん堆肥の有機質肥料としての利用にあたっては、家畜ふん堆肥の種類に応じた栽培体系の選定とそれによる土壌残存窒素累積の回避が重要で、化合物との組合せ施用は残存窒素累積回避に効果的である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る