【表題】 窒素負荷の軽減のための諸対策

【著者名】 川内郁緒
【所属】 草地試験場
【発行年】 1997
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 340+341
【頁】 8−13
【要約】 本稿では、環境への窒素負荷を軽減する土壌管理・肥培管理方法の概要と、現在、飼料作物栽培がかかえている問題点について紹介する。[1.]農耕地からの硝酸態窒素の排出は地表面流去水および土壌浸透水によって行われるが、浸透水による硝酸態窒素の排出は、一般的に、有効浸透水量、土壌の保水量および硝酸態窒素が土壌中に停滞し得る時間により影響を受ける。硝酸態窒素の排出を抑制するための土壌管理法の例としては以下のものが挙げられる。(ア) 健全な植被の維持:土壌肥沃度を高めて地上部生産を旺盛にし、硝酸態窒素の吸収利用を高め、また、下方への浸透水量を減らすことにより、窒素の排出を抑制する。(イ) 根群域の拡大と有効土壌保水能の拡大:作土層を厚くし、有効土壌保水能の増加を図れば根群域が拡大し、窒素の吸収機会を高め、排出水量を低下させ、窒素の排出を抑制できる。深耕や心土破砕等、作業機による改良および有機物等土壌改良資材の施用は有効な方法である。(ウ) 地下水位の低下:地下水位を下げることにより、土壌からの窒素排出には多くの浸透水量が必要になる。従って、排出までの時間が拡大し根による窒素吸収が高まり、窒素排出の減少につながる。水田畑作における暗渠による地下水位管理は、畑作の作物生育に必要な処理であるが、これは窒素排出抑制の面からも重要な意義を持っている。(エ) 土壌の団粒化:団粒構造を持つ土壌は、亀裂が発生しにくく、窒素の排出抑制上からも望ましい土壌である。暗渠排水による土壌の乾燥化、有機物の施用や土壌改良材の利用、深耕等の耕耘処理などが効果を持つと期待できる。(オ) 亀裂発生型土壌における施肥の工夫 (カ) 畦表面土壌硬化による土壌浸透水の抑制 [2.環境への窒素負荷を軽減する肥培管理]わが国ではこれまで肥料・農薬等の化学資材を多量に投入し、少しでも単収をふやすための技術開発が行われてきた。しかし、環境保全的な施肥管理を行うには、施肥した養分を効率的に作物に吸収させ、環境への窒素排出量を抑制する必要がある。(ア)適正な施肥量 (イ)施肥位置 (ウ)地表面管理および作付体系 [3.飼料作物栽培における窒素負荷軽減対策](ア) 今後、増加が予想される家畜排泄物を無理なく農地に還元するには、農地のふん尿受容能力を向上させる必要がある。それには作物の単収を向上させ、その生産に必要な養分を家畜排泄物で供給する方法が一つの解決策と考えられる。飼料作物生産では飼料自給率の向上と飼料畑のふん尿受容能力の向上は特に重要な課題である。(イ) 飼料作物の単収の飛躍的向上によるによるふん尿受容能力の向上
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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