【表題】 近赤外線分析法を軸とした家畜ふん堆肥の成分迅速測定システム

【著者名】 浅井貴之
【所属】 長野県畜産試験場
【発行年】 1997
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 340+341
【頁】 14−19
【要約】 農耕地に施用する家畜ふん堆肥の成分を把握し、肥効を考慮した施肥設計を行うことは、環境保全型農業を推進していく上での重要な技術の一つである。しかし、家畜ふん堆肥の成分の変動幅は大きいことが知られており、その成分を簡易・迅速に測定できる技術が求められていた。このような背景から、牛ふん堆肥と豚ぷん堆肥を対象に、近赤外分光分析法を軸とする成分迅速測定システムを構築した。その概要を紹介する。[2.]圃場養分収支において、堆肥由来の養分施用量は化学肥料由来の養分施用量と比べて無視できない量であり、肥料資源の効率的利用という視点に立てば、堆肥由来の養分施用量を考慮した施肥設計を行うべきであることがわかる。[3.成分分析の迅速化]水分、全炭素、全窒素、粗灰分は、食品工業や自給飼料の分野で実用化されている近赤外分光分析法の適用が可能と考えられ、測定の可能性を検討した。P、Ca、Mg、Kの分析は、湿式分解による前処理法を改め、乾式灰化・1規定塩酸抽出法による溶液化法を行うことが多検体処理に向くと考えられた。[4.近赤外分光分析法の適用]@ 近赤外分光分析法は対象とするサンプル集団に対して、成分毎に検量線をつくる必要がある。A 試料は副資材として稲わら、籾がら、そばがら、おがくず、きのこ培養残渣、樹皮、牧乾草のいずれかを含み、その腐熟度は未熟なものから完熟なものまで網羅している。B サンプルは乾燥・粉砕した後に、サンプル毎に701ポイント(1100〜2500nm、2nmおき)の近赤外分光分析法スペクトルデータを収集した。C 全炭素、全窒素、粗灰分、2次水分のいずれの成分についても、サンプルの化学分析値のレンジ(範囲)に対して許容できる程度の誤差であると考えられる。また、畜種別の試料の分布と推定誤差の分布から判断して、検量線は牛ふん堆肥と豚ぷん堆肥に共通に飼養できると判断した。D 検量線が作成できれば、近赤外分光分析法はきわめて簡易・迅速な手法である。牛ふん堆肥および豚ぷん堆肥については、風乾・粉砕したサンプルをカップにつめ、近赤外分光分析計に挿入するだけで、1サンプルあたり3〜4分程度で全炭素、全窒素、粗灰分および2次水分の4成分が同時に測定できる。[5.]1次データの加工や分析結果通知表の作成などの自動化に対して、リレーショナル・データベースソフト”Access 95”をカスタマイズしたソフトを開発した。[6.]本システムの開発により。他の試験研究業務の繁忙期を除けば、10〜1ヵ月で分析結果を通知することができるようになった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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