【表題】 堆肥堆積運搬車と切返し機の開発

【著者名】 西崎邦夫
【所属】 北海道農業試験場
【発行年】 1998
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 352+353
【頁】 5−10
【要約】 本報では、個別農家への導入を前提に開発した、家畜ふん堆肥化システムについて報告する。[2.堆肥堆積運搬車の開発]家畜ふんを短時間にウインドロー状に定形堆積するための堆積運搬車を開発した。この運搬車は、広く普及している堆肥散布機(マニュアスプレッダ)を改造したものである。改造点は、マニュアスプレッダの荷下ろし用床コンベアの速度を通常散布時の6〜10倍(0.2〜0.3m/s)程度に上げ、堆肥の飛散を防ぎ堆積形状を整えるため、堆肥排出部の上面と側面に取り外し可能なカバーを装備したことである。ウインドローを作る時間、すなわち1回の家畜ふんの排出時間は最大積載量1.5?の機種で20秒、最大積載量8?の機種でも52秒と短時間である。形成されたウインドローの断面形状は、両機とも幅2.5m、高さ1.5mの半楕円形である。機能的には、上下のビータで粉砕・撹拌してウインドローを作るため、腐熟に必要な通気性の確保、均一混合という条件が満たされる。[3.堆肥切返し機の開発]開発した堆肥切返し機はトラクタ右側方に装着する方式で、動力はトラクタPTO軸から伝達される。堆肥は上下2段のビータによってかき込まれ、上昇コンベアに搬送されて、高さ2mのコンベア端から落下する。破砕ビータとコンベアによって破砕・均一混合された堆肥が十分な通気性を確保した状態でウインドローを再形成する。本機は全長3.3m、全幅2.5m、全高2.0m、質量1500kgとコンパクトに設計されている。[4.実用試験]1) 屋外で堆肥堆積運搬車と堆肥切返し機を組合せ、体系的な堆肥化試験を行った。原料には牛ふんを用い、試験区は下水汚泥を原料とした有機質土壌改良材を利用した水分調整材の有・無の2処理とした。初期水分は無調整区で80%、調整区で64%であった。品温は堆積直後から上昇を開始し、無調整区で4日目に58℃、調整区は腐熟最適水分状態であったこともあり、6日目に79℃に達している。堆積後約2ヵ月、3回の切返しで、完熟期に達した判断し、試験を終了した。2) 簡易パイプハウスを利用した堆肥化試験を行った。野外実験と同様、原料には牛ふんを用い、水分調整区:水分70%と水分53%および水分79%の無調整区を設定した。降雨の影響が無いため、早めの3〜4日で60〜70℃に達している。切り返し後の温度上昇も著しく、調整区、無調整区とも2〜4日で70〜75℃に達し、ほぼ同様の温度を維持した。屋内の場合、野外より半月から1ヵ月早く堆肥化が終了することが確認できた。[5.]飼養頭数70頭で堆肥盤必要面積は580uとなる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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