【表題】 堆きゅう肥利用促進ネットワークシステムの構築

【著者名】 花澤信幸;牛尾進吾
【所属】 千葉県農林部畜産課;千葉県農業化学検査所
【発行年】 1998
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 352+353
【頁】 53−59
【要約】 千葉県では、平成7年度からコンピュータネットワークシステムを活用した「堆きゅう肥利用促進ネットワークシステム」を運用している。本ネットワークシステムは、県農業化学検査所を中心として考案された「堆肥のクオリティチャート」を堆きゅう肥の施用に係わる普及指導の強力な手段として取り入れ、行政機関・試験研究機関・普及指導機関の一体的な取り組みとして作られたものである。【1.堆肥のクオリティチャート】1) 目的:家畜ふん堆肥を地域の有機物資源として活用するためには、畜産農家はその成分特性を明らかにし、耕種農家はその特性を生かして利用する必要がある。肥料分の多少、含有バランス、考慮すべき成分等を図表化し、農家が堆肥の比較・選択・特性など容易に把握できることを意図した。2) このクオリティチャートはコマツナの発芽試験と成分含量等との関係から求めた「土づくり的堆肥の成分値等の目安」をもとに作成した。発芽試験は、堆肥と土を容量比で1:1に混合し、コマツナ25粒を播種し、7日目の発芽率80%以上を発芽良好とした。発芽試験結果等から全窒素含量及び全カリ含量1%以下、EC 2ms/cm(25℃)以下、ただし不快臭のないものを「土づくり的堆肥の成分値等の目安」とした。3) クオリティチャートは堆きゅう肥成分等の「レーダーグラフ」と「成分値からみた堆肥利用の目安」の2つの図表から構成される。【2.堆きゅう肥利用促進ネットワークシステム】4) ネットワークシステムの活用:畜産農家は自信の堆きゅう肥の品質を保証することができる。耕種農家に対して、堆きゅう肥の成分分析結果に利用指導をセットにして提供できる。6) 加入状況:平成10年3月末時点では、345件の生産堆きゅう肥が登録されている。乳牛では堆肥舎又は乾燥施設が多く、豚では臭気対策、省力化で有利なコンポスト処理に人気が高い。7) 登録については、地域推進会議の構成機関等の努力により順調に推移しているが、耕種農家の指導における本ネットワークシステムの活用については次の様ないくつかの課題をかかえている。(ア)耕種農家のニーズの把握 (イ)耕種農家のニーズを満たした堆きゅう肥の生産 (ウ)耕種農家の堆きゅう肥に対する抵抗感 (エ)堆きゅう肥の利用法の確立 @堆きゅう肥の成分分析のさらなる推進 A堆きゅう肥の各成分の肥料効率の検討 B土壌診断 C堆きゅう肥・化学肥料の適正な組合せによる施肥設計 (オ)現在、分析された堆きゅう肥情報を一般公開すべく同意を得る作業をしており、今年度中にはインターネットの画面上での検索が可能となる予定である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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