【表題】 糞尿等有機物資源リサイクルにおける問題と対応 −胆振支庁における取り組みを中心として−

【著者名】 熊谷秀行
【所属】 北海道立花・野菜技術センター
【発行年】 1998
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 352+353
【頁】 60−64
【要約】 胆振支庁は、平成7年にA地区で飲料用地下水に基準を超える硝酸態窒素が検出されたことから、この年に「環境保全型農業推進連絡協議会」を設置し、その中にふん尿など地域で発生するリサイクル資源の農業生産への利用を推進する「リサイクル資源活用型農業推進部会」を設けて、環境保全を考慮した地域資源リサイクルに本格的な取り組みが開始された。ここでは、推進部会を構成する胆振支庁改良普及員畜産部会が、乳牛・肉牛のふん尿処理に関するアンケート調査および生産されている各種堆肥の成分分析から実態把握を行って、資源活用リサイクルの資源還元過程、処理・加工過程、および資源還元過程における実態や問題点を明らかにした取り組みを紹介する。併せて胆振支庁をはじめとして、いくつかのふん尿等有機物リサイクルの取り組み事例についても紹介する。[2.地域の土壌および畜産環境の特徴]本地域は透排水性の極めて良い土壌が分布するため、家畜ふん尿の大量施用、多肥などに伴う地下水汚染の危険性が高い。家畜ふん尿の窒素負荷量(Nkg/ha)は123と北海道14支庁の中では4番目に多く、草地にのみ還元すると350を越える状況にある。[家畜ふん尿処理状況](1)堆きゅう肥の需給状況:市町村間に堆肥の過不足があることから、量的には多くならないが堆肥流通の可能性が認められた。(2)ふん尿生産量 (3)堆肥化の状況:78%の農家で堆肥盤を保有していたが、屋根付きや排汁流出対策を施したものはほとんどなかった。切り返しは全体の半数が実施、その回数は3〜4回(移動も回数に含む)が多く、腐熟が不十分で堆肥化には最低6回以上切り返しが必要と思われた。ほぼ半数の農家で敷料が確保できていない状況にあった。目標となる水分70%以下となる敷料の組合せは少なく、特に乾草とオガクズの場合は水分が70%以下になりにくい傾向であった。(4)飼料用トウモロコシ、畑作物、その他(自家用野菜)に集中して利用されている傾向がうかがわれた。水田、放牧地、採草地で利用が少ない。[4.ふん尿利用上の問題点]@どこに、どんな、どのくらいの資源があるかの情報がない・・・双方向(畜産農家⇔耕種農家)の情報 A自己経営内でオバーフロー、敷料不足など・・・耕種農家との交流 B水分過多、切り返し不足など・・・均質な堆肥づくり、施設整備 C利用が少ない、作目の偏りなど・・・需要の把握、堆肥の品質、効果の評価 D環境汚染の可能性・・・土壌別適正施用法・施用量の検討(土壌環境容量の把握)[5.ふん尿堆肥生産−利用の現状と今後の方向]
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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