【表題】 無臭型家畜ふん堆肥化システム

【著者名】 薬師堂謙一
【所属】 九州農業試験場
【発行年】 1999
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 364+365
【頁】 35−38
【要約】 家畜ふん尿を堆肥化することにより、利用性や運搬性の向上が図られるが、一方で、高濃度のアンモニアや硫黄化合物、揮発性有機酸(VFA)が発生する。これらの悪臭は悪臭防止法により規制されており、周囲に住宅などが有る場合には、脱臭施設を備えた無臭型の堆肥化方式にする必要がある。[2.]堆肥化施設で使用される主な脱臭方式は、@生物脱臭法、A薬液洗浄法、B吸着法である。@ 生物脱臭法は、堆肥発酵の排気を脱臭槽の充填材に通気し、微生物の作用により悪臭物質を無臭化する方法で、アンモニアは硝酸に、硫黄化物は硫酸に酸化される。また、硝化だけでは脱臭装置内に窒素分が蓄積するが、充填材内の嫌気部分で同時に脱窒を行わせ過剰に窒素分が蓄積するのを防ぎ、充填材の交換を最小限度にしている。脱臭槽の充填材には、土壌やロックウール、ピートモス、堆肥等が使用される。近年は堆肥高さが2.25m程度とれるロックウール脱臭方法が増えている。生物脱臭法は、通気動力と散水動力しか必要としないため、比較的ランニングコストは安くすみ、1年を通して連続して脱臭する必要のある場合に適する脱臭方法といえる。A 薬液洗浄法は、散水スクラバにより薬液と悪臭を反応させ脱臭する方法である。高濃度の排気をそのまま処理できるため、通気動力が少なくてすみ、また、処理装置が小型のため設置面積が少なく、設置費も比較的安い。しかしながら、薬剤液代がかかるため、通年で使用する場合には生物脱臭装置を設置した方がコスト的に有利である。したがって、悪臭が問題となる期間が年に数ヶ月程度に限定される場合に選択するとよい方法である。B 吸着方式はオガクズや堆肥などの吸着剤に悪臭を吸着させる方法である。無臭化した堆肥には再度アンモニアを吸着させることができ、吸着を繰り返すことにより、さらに窒素濃度を高めることができる。コスト面では、堆肥舎内に吸着槽を余分に確保するだけで済み、薬液洗浄法と比較しても薬液代が無い分だけ経済的である。[3.堆肥化施設での悪臭の発生量と堆肥への悪臭吸着能力][4.堆肥吸着型無臭堆肥化システム]現在、九州農試で開発中のローダー撹拌方式の堆肥吸着による無臭化堆肥化システムにおいては、発酵1,2週目の排気を堆肥吸着により脱臭する。1週毎に吸着堆肥を入れ替える必要がある。悪臭の吸着が終わった堆肥は再度後熟発酵槽に移し堆肥自体無臭化を図る。また、堆肥の窒素濃度を高める必要がある場合は、無臭化後に再度悪臭の吸着を行う。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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