【表題】 肥育センターにおける経営収支の実態と課題

【著者名】 上條雄喜;千賀裕太郎
【所属】
【発行年】 1999
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 364+365
【頁】 63−69
【要約】 本報では堆肥センターの経営収支の実態を把握・分析し、堆肥センターの経済性に関わる問題点を明らかにした。[2.]堆肥センターの位置づけを@農業施設とみるか、A営利事業施設とみるか、B一般廃棄物(生ごみ)を含む廃棄物処理施設とみるかでおおむね3種類の勘定科目の組み合せがあり、経営収支的には全く性質の異なるとらえ方が存在している。[3.堆肥センターにおける経営収支の現状]3.1 経営収支の実態把握調査:全国5地区(A町、B市、C町、D市、E町)の堆肥センターの概要および経営収支を調査した。@農業用施設タイプはD市、E町、A営利事業施設タイプはA町、C町、B一般廃棄物を含む廃棄物処理施設タイプはB市である。3.2 堆肥センターにおける収益:これは堆肥販売収入、家畜ふん尿などの処理料収入(施設利用料収入)の2つからなるが、すべての地区で堆肥販売収入にそのほとんどを頼っていた。3.3 堆肥センターにおける費用:費用の総額はC町の8,093円/tからD市の46,994円/tまで幅がみられた(平均は23,361円/t)。費用の中で最も大きな割合を占める人件費(各地区34.7〜70.6%)であるが、C町で割安(3,418円/t)なのに対し、D市では割高(33,167円/t)とほぼ10倍の差がみられた。続いて光熱水費が大きいが、これはどの地区もほぼ近い割合(11.5〜20.0%)となっている。稼働してから年数を経ているB市、C町、E町では、次に修繕費が多くなっている(12.8〜16.2%)。3.4 費用に対する収益のカバー率:C町がかろうじて収支差引がわずかにプラスになっている他は、大幅にマイナスになっている。今回の整理では、経営収支に減価償却費を考慮していない。これは、施設を補助金などを前提にしたものにしてしまうこと、加えて今後自治体などの財政の悪化が予想される中で、施設の永久的稼働を保証しないことを意味している。[4・堆肥センターにおける経営収支上の問題点と改善方向]4.1 すべての地区でバラ堆肥の販売だけでは費用をまかなうことができないことは明らかである。最も高い値を示しているC町でも費用の8,093円/tに対し、バラ堆肥価格は4,500円/tと6割しか満たしていない。4.2 袋詰めでの販売はバラ堆肥の2〜10倍と非常に高価になっており、収益性が高いことを意味している。先の事例のA町およびC町では袋詰めの割合を増やすことで経営収支を改善している。しかし、地域内に環境保全型農業を推進するという観点からは、収益性が良いからといって収支を合わせるためだけに袋詰め堆肥を生産することは問題があると考える。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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