【表題】 北海道における共同利用型の乳牛糞尿バイオガスプラント実証試験

【著者名】 石渡輝夫
【所属】 北海道開発土木研究所
【発行年】 2003
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 409
【頁】 19−24
【要約】 北海道に適したバイオガスプラントの実証試験として「積雪寒冷地における環境・資源環境プロジェクト」が(独)北海道開発土木研究所で、2000年度から2004年度で実施された。[2.]1) 施設概要:2000年度に酪農専業地帯の別海に1000頭規模の施設を、酪農畑作混合地帯の湧別に200頭規模の施設を建設した。前者は第三セクター等による管理運営を想定し、農家からの処理料を徴収することにより家畜排泄物の収集・運搬も施設側が担い、広範囲から収集し、処理を行う大規模施設を想定したモデルである。スケールメリットを活かし売電や温室等の外部施設への熱供給も想定している。湧別は参加農家による自主的な運営を想定しており、家畜排泄物の収集・運搬も農家自ら行う小規模分散型のモデルで、売電等は期待できない。畑作農家の堆肥に対する需要が高いことや比較的小規模な酪農家に多い敷料を含んだ固形状ふん尿の処理に対応するため堆肥の生産を重視している。以下に別海施設の調査成果を中心に述べる。[3.]2002年においては原料ふん尿の搬入や生成物の搬入は農家、コントラクターあるいは2名のプラント管理人により行われた。2001年10月以降のスラリー及び尿の搬入量は600〜900t/月であった。敷料が混入した固形ふん尿は固液分離を行い分離固形分は堆肥化に、分離液分はメタン発酵される。固形ふん尿の搬入量は、固液分離能力が整備された2003年2月以降に600t/月強に増加した。[4.稼働状況とエネルギー収支]別海施設では固形ふん尿が多くふん尿スラリー投入量は計画値に達していないが、メタンガス濃度は約60%で、スラリー当たりのガス発生量は30?/?であり、メタン発酵は良好である。なお、2002年3・4月に廃乳を投入した結果、ガス発生量のピークを示した。発電量は漸増し、ふん尿処理に関係する電力はほぼ自給できるようになった。今後、ふん尿スラリー投入量の増加等により、更に売電量を増加する計画である。温熱エネルギーもふん尿処理にかかる量をほぼ自給できるようになった。[5.メタン発酵消化液の性状と施用効果]有機物1t当たり340?のメタンガスが発生した。メタン発酵での発酵・殺菌後の消化液は平均して全窒素を3.5g/kg、りん酸(P2O5)を0.8g/kg、カリウムを(K2O)3.7g/kg含む。別海施設での最近の消化液生成量は35?/日であり、消化液中には20kg詰めの袋に換算し、硫安で29袋、過リン酸石灰で8袋、硫酸カリで13袋の肥料分が含まれる。また、発酵後の消化液は70℃1時間の処理により、大腸菌群等はほとんど死滅し、消化液は共同利用できる。消化液の施用試験により、消化液は牧草や畑作物に対し、化学肥料と同等の効果を有した。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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