【表題】 土壌残存硝酸態窒素削減のための家畜ふん堆肥施用法

【著者名】 郡司掛則昭・甲木哲哉
【所属】 熊本県農学研究センター
【発行年】 2003
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 411
【頁】 24−29
【要約】 ここでは、化学肥料の使用を極力制限して家畜ふん堆肥を化学肥料代替品としてリサイクル利用することを目的として、露地野菜栽培において異畜種堆肥を混合し施用するブレンド施用技術について述べる。露地野菜栽培体系において収量性や養分収支ならびに土壌中での養分動態(主に窒素に注目)を調べ、これに基づいて土壌に残存する硝酸態窒素を低減できる家畜ふん堆肥の適正施用法について検討した。[3.実証試験の概要]実証試験区はオガクズ牛ふん堆肥と発酵豚ぷんを単独施用した区、両者を組み合わせてブレンド施用した区および各野菜の施肥基準に基づいて化学肥料を用いた対照区を設定した。施用量は牛ふん堆肥単独では20、40Mg/ha、発酵豚ぷん単独では10、20Mg/haとした。ブレンド施用区では牛ふん堆肥20Mg/haと発酵豚ぷん5Mg/haを組み合わせた。以上を作付け2〜3週間前に全面施用し、堆肥のみを施用した試験区ではリン酸および加里肥料は無施用で栽培した。[4.露地野菜に対する家畜ふん堆肥連用の影響](1)各野菜の収量に代謝する連用効果:化学肥料肥料施用の収量を100とした場合の各品目の平均収量指数は、牛ふん堆肥20Mg/haの単独施用では27ポイント減少したが、40Mg/haの施用ではレタスを除き収量指数は87〜156とやや変動するが増加傾向であった。発酵豚ぷんでは10Mg/haの施用において各作付品目を平均すると117%と化学肥料施肥に比較して増収する傾向が認められた。一方、ブレンド施用した場合、作付期間を通しての収量指数は110〜153で、異畜種のブレンド施用は化学肥料施肥に比較して収量が増加する上に、作付体系を通して安定した収量が得られる堆肥施用法であることが推察された。(2)窒素収支に及ぼす影響:露地野菜レタス(1999年)−スイトコーン−ダイコン−キャベツ−レタス−スイートコーン(2002年)の計6作の窒素収支(窒素投入量−窒素吸収量)の合計は、化学肥料施用51.7g/uに対し、牛ふん堆肥の20Mg/ha単独施用では37.6g/u、施用量が40Mg/haでは88.3g/uと著しく上昇した。発酵豚ぷんは10Mg/ha施用で55.3g/u、20Mg/haでは188.1g/uと著しく上昇した。これに対しブレンド施用では56.0g/uとなり、化学肥料主体の対照区より4.3g/u多いが牛ふん堆肥40Mg/haの単独使用よりも32.3g/u少なく、土壌中での窒素富化はブレンド施用によって軽減されたと考えられた。さらに、栽培終了後土壌に残存しやすい硝酸態窒素ならびにカリウム等の養分を低減するために有効な家畜堆肥施用法であった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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