【表題】 微生物の酸素消費量を指標とした堆肥熟度判定器「コンポスター」

【著者名】 古谷 修
【所属】 (財)畜産環境整備機構 畜産環境技術研究所
【発行年】 2003
【雑誌名】 圃場と土壌
【巻】 412+413
【頁】 18−23
【要約】 本稿では、最近、筆者らの研究所で開発した堆肥の腐熟度の簡易判定法について紹介する。この方法は、堆肥の中に存在する微生物の呼吸作用、特に、酸素消費量に基づいたものである。[2.腐熟度とはなにか]1) 腐熟度の定義 2) 堆肥の腐熟度と、堆肥中の易分解性有機物の量および微生物の呼吸作用には直接的な関係があり、易分解性有機物の量および微生物の呼吸作用には直接的な関係があり、易分解性有機物の堆肥中含量は、堆肥の属性としての腐熟度判定の指標となりうる。[3.堆肥中の易分解性有機物含量をどう推定するか]1) 微生物の呼吸作用を利用する方法:従来より生物によって分解されやすい有機物の濃度を表す概念として生物化学的酸素要求量(BOD)が用いられてきた。筆者らの研究所で開発した腐熟度判定法については後で詳述するが、基本的にはBODを測定していることになる。2) 化学あるいは酵素的に判定する方法:反すう家畜の繊維性飼料の内リグニンや一部の結晶化が進んだ構造性炭水化物を易利用性区分から分画する手法を堆肥の腐熟度判定に適用しようとする試みがある。しかし、これらの手法によって微生物が利用できる易分解性有機物含量を精度よく推定するにはさらなる検討が必要とされよう。[4.微生物の呼吸作用を利用した堆肥腐熟度の簡易判定法]当研究所の古川らは、堆肥中の易分解性有機物の含量を微生物の酸素消費量で判定するという原理に基づいて、堆肥腐熟度の簡易判定法を開発し、それをコンパクトな装置にまとめた堆肥腐熟度判定装置「コンポスター」が(株)富士平工業から市販された。1) 「コンポスター」の概要と特徴:金属製のポット(容積約500mL)に堆肥のサンプル50gを入れる。温度は35℃で一定に保たれる。容器内の酸素濃度は時間とともに直線的に低下する。堆肥が未熟の内は易分解性有機物が多量にあるため微生物の活動は活発で酸素消費量も多く、この直線の下がり方(勾配)は急であるが、堆肥の腐熟が進むと微生物のえさ(易分解性有機物)がすくなくなるため、勾配は緩やかになる。したがって、この勾配から堆肥の易分解性有機物の含量、ひいては腐熟度が判定できる。1サンプル当たり、堆肥の加温に30分、測定に30分で計約1時間で酸素消費量の結果が示される。必要なものは堆肥サンプルだけで、薬品等は一切いらない。3) 堆肥が安定期に入ったときの酸素消費量をいくつ位になっているかを把握すれば、安全に施用できる基準ができる。酸素消費量が3以下になった堆肥であれば、土壌中で急激な有機物分解を起こす恐れはないと考えている。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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