【表題】 牛ふん堆肥を高付加価値化して販売

【著者名】 羽石竜示
【所属】 肉牛ジャーナル編集部
【発行年】 1994
【雑誌名】 肉牛ジャーナル
【巻】 7−1
【頁】 30−36
【要約】 [1]堆肥の販路を拡大するためには、造園、公園造成、道路等の法面補強など、新たな堆肥販売先の注文に応じて、それぞれ作り分けを考えていかねばならない。そこで年間6600tの堆肥を加工して、数億円の販売を上げている(農)松永牧場の経営をルポした。[2]松永氏ではオガクズを敷料に使い、バークを堆肥盤で発酵させてから牛ふん+敷料と混ぜるやり方をしている。大体、月に一回の割合で敷料を交換する。[3]現在、経営は3戸5人で構成され、その他、農業実習生がいるなどして18名が従事する。繁殖牛13頭、和牛、F1肥育牛1000頭を飼養している。[4]売り上げ全体に占める堆肥販売額の割合が年々大きくなっている。年間堆肥販売量1万tを目標にかかげて最近、設備に大きな投資をした。堆肥の売れ行きは順調で生産が追いつかない状態である。売り先は道路の法面業者が主である。かつては、大量の堆肥の処分に困っていた。まわりの畑作農家は減る一方ではけ口がない。そこで高品質の堆肥生産で農業外の産業ニーズに応えようと思った。[5]松永氏の堆肥施設では、堆肥舎4棟、堆肥盤1ヵ所、それに自動袋詰め機械が毎日稼働している。同氏が堆肥製造販売に至ったのは昭和60年から。高付加価値にして定価設定のできる商品だけに、その設備投資にも思い切ったことができる。「袋詰めからその積み上げまで、すべて自動にできる施設が欲しかった」と機械導入の理由を話す。機械のおかげで堆肥加工現場にいるのは一人だけですむ。しかも一時間当たり350袋を生産する。6年前に自動堆肥攪拌機を導入、さらに自動袋詰め機を3年前に、そしてつい最近できあがった堆肥をパレット(荷置き盤)に積むという機械を購入した。これらの総設備費用は6500〜7000万円、松永氏はこれを5年で償却する計画だ。[6]松永氏は林業者と養鶏農家からバークと鶏ふんを譲り受け、2年間発酵させてから牛ふん堆肥とのブレンド作業を行う。さらに、別の堆肥舎でパーライト、ピートモスを発酵した堆肥に加えて出来上がる。牛ふんだけでは保水性に問題があるため、法面業者の注文に合った堆肥はできない。鶏ふん、パーライト、ピートモスは保水性をつけるために混ぜている。[7]松永氏は、法面用、公園用の堆肥をその完成段階まで作って業者に渡している。法面業者にとっては、通常、畜産農家の所有する堆肥は管理があまり行きとどいてなく、業者のニーズにそぐわないのが現状である。あえて使うほどのものではないというのが一般認識のようだ。松永氏の堆肥は別格である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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