【表題】 根釧地方の混播採草地に対する液状きゅう肥の効率的施用法

【著者名】 松中照夫;小関純一;近藤 煕
【所属】 北海道立根釧農業試験場
【発行年】 1990
【雑誌名】 北農
【巻】 57−3
【頁】 48−54
【要約】 [1]これまで根釧地方の混播採草地に対する液状きゅう肥の効率的な施用時期、施用量、連用効果および液状きゅう肥施用に伴う減肥可能量などを明らかにしてきた。ただし、これらの試験はいずれも根釧農試場内で実施されたもので、供試した草地の土壌は黒色火山性土に限られていた。本報告では、根釧地方の主要な火山性土に立地する農家の草地(チモシー主体+ラジノクローバー5〜25%)において適用できるか否かを、2年間実証的に検討した。次いで、この試験結果とこれまでに得られた知見から、一連の報告の総まとめとして、当地方の混播採草地に対する液状きゅう肥の効率的な施用法を具体的に提案する。[2]試験に次の5処理を設けた。慣行施肥区(液状きゅう肥:無施用)、秋−減肥区(液状きゅう肥の施用時期:前年秋、施用量(t/ha):20)、春−減肥区(春、20)、秋施用区(前年秋、40)、春施用(春、40)。秋−減肥区および春−減肥区の化学肥料施与量はいずれも慣行施肥区の1/2に減肥した量で、秋施用区および春施用区には化学肥料は施与していない。[3]いずれの試験区においても秋−減肥区、春−減肥区および春施用区では、従来の知見通り、収量が慣行施用区と同程度かそれ以上となり、牧草のK/Ca+Mg比に特に問題はなく、草地のマメ科率や土壌の化学性が慣行施用区より悪化することもなかった。未熟火山性土の秋施用区の結果を例外とすれば、これまでの結果がどの火山性土の草地においても適用可能と思われた。[4]今回の試験の結果とこれまでの一連の試験結果を総合し、当地方のチモシーを基幹とする混播草地において、慣行施用(当地方の農家の平均的な年間の化学肥料施与量でN-P2O5-K2O-MgOとして82-95-158-35 kg/ha)水準と同等の収量で、乳牛に安全な牧草を生産するための効率的な液状きゅう肥の施用方を次のように提案した。前年秋(2番草刈取り後から10月下旬まで)あるいは越冬後の春(5月中旬)に施用することを前提とし、液状きゅう肥の年間施用量が40〜60t/ha程度の場合には、化学肥料を併用する必要がなく、液状きゅう肥の年間施用量が20t/ha程度なら慣行施用量の1/2量を施用すれば十分である。特に年間の施用量が40〜60t/ha程度の場合、一度に施用するよりも、前年秋と越冬後の春に1/2ずつ分施する方が液状きゅう肥の施用効果を高める。また、未熟火山性土の草地では、前年秋に40t/ha以上施用しても、施用養分の損失が多くなるため、この時期の施用量は20t/ha程度にとどめる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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