【表題】 汚水処理の最新技術 −新技術の開発状況と実用に向けて−

【著者名】 田中康夫
【所属】 (独)農研機構 畜産草地研究所
【発行年】 2013
【雑誌名】 畜産コンサルタント
【巻】 582
【頁】 12−17
【要約】 [既存汚水処理施設の運転管理のポイント]@ 畜舎汚水の処理については、活性汚泥法を基盤にした処理法が主に普及している。活性汚泥法は、細菌、原生動物、後生動物などの好気性微生物が力を合わせて汚水を浄化するので、これらの微生物の量を適正に保つことが大原則である。A 管理が手薄になりやすい畜産分野の汚水浄化の現実を背景にして、膜分離活性汚泥法の施設も徐々に増加しており、指針も作成されている。分離膜は細菌の透過も阻止するため、大腸菌群の低減効果も発揮し、衛生的な面でも優れている。[新技術の開発状況](1)窒素除去技術:@ 汚水中に元々存在する有機物を利用して脱窒促進を図る手法として、畜産分野では、間欠ばっ気法が広く採用されている。さらに効率よく汚水中有機物を脱窒に利用する方法としては循環式消化脱窒法がある。A 脱窒に必要な有機物の量が不十分な場合は、この方式でも目標値まで窒素濃度が低減しないこともある。汚水中の有機物量が不足し、窒素が目標値まで低減できない場合に適用する手法には、大きく分けて2種類ある。有機物を添加する方法と、有機物の代わりに硫黄または硫黄化合物を用いる方法である。B 養豚の実情に合致した脱窒用有機物として、分離された豚ぷんに水を加えたスラリーを用いる手法が提案されている。この処理方法は回分式活性汚泥法を基盤としている。C 有機物の代わりに硫黄化合物を用いる手法の一つとして、チオ硫酸ナトリウム溶液添加法がある。この方法の長所は、過剰に添加した場合でも処理水の生物化学的酸素要求量(BOD)が上昇しないことである。D 管理の容易な脱窒法の一つとして、固形硫黄を用いた硫黄脱窒法もある。この手法の長所は、流入する亜硝酸および硝酸の量に応じて硫黄の消耗が進むため、あらかじめ固形硫黄を十分量充填したリアクターを設置しておけば特段の調整操作は不要な点である。E その他の技術として、汚水中にパーライト粒を投入してばっ気する浄化システムも検討されている。また、有機物や硫黄を必要としない特殊な代謝経路を有する脱窒細菌群であるアナモックス細菌を利用する手法も検討されている。(2)リン除去技術:@ リン除去と同時にリンを回収して肥料化しようという目的で開発されたMAP法がある。MAPは肥料としての有効利用が可能である。A MAP法と同様に、リン除去と同時に回収、肥料化も目的とした手法として、非晶質ケイ酸カルシウム(CSH)を活用する手法も検討が進んでいる。この手法では、着色も顕著に低減できる。(3)着色低減技術
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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