【表題】 家畜排せつ物を利用したバイオマス発電

【著者名】 薬師堂謙一
【所属】 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
【発行年】 2013
【雑誌名】 畜産環境情報
【巻】 47
【頁】 5−12
【要約】 【2.バイオマス資源の多段階利用(カスケード利用)】地球温暖化問題との関係でバイオマスのエネルギー化が注目されているが、販売価格が高い利用用途を優先すべきで、一般に優先順位は @医薬品・化粧水、A食料、C肥料(堆肥・液肥)、Dエネルギー原料となり、焼却・埋設処理や浄化処理によりエネルギーを投入して資源を廃棄することは極力避けるべきとされている。養豚におけるリキッドフィーディングの導入などは食品廃棄物を資源化する非常に有効な手段である。一方で、稲わらからのバイオエタノール生産の研究も行われているが、畜産地帯においては飼料化を優占すべきで、地域の実情にあった利用法にする必要がある。国のバイオマス事業化戦略では、直接燃焼や固体燃料化を「家畜排せつ物が需要量を超えて過剰に発生している地域」に限定している。【3.家畜排せつ物を利用したバイオマス発電】家畜排せつ物関連でのバイオマス発電の方法は、@メタン発酵によるガス化発電、A大型の鶏ふん燃焼発電、B小型の燃焼発電、C不完全燃焼によるガス化発電の4種類がある。【4.メタン発酵】エネルギーの発生量は中程度で、ほとんど減量しないため、発酵残さである消化液の液肥利用が前提条件である。FIT制度では39円/kWh(税抜き)の価格設定がなされているが、家畜排せつ物からのメタン発生量は少なく、この価格帯においても家畜排せつ物のみでのメタン発酵による発電はペイしないことが明らかとなった。このため、生ゴミや食品残さとの合併処理がメタン発酵によるエネルギー利用の前提条件となる。【5.家畜ふんの燃焼利用】(1)燃焼方式 (2)家畜ふん燃焼時の留意点 【6.大型鶏ふん燃焼発電】ブロイラー鶏ふんを主原料に、処理量300t/日以上、発電能力5千kw以上の鶏ふん発電所が宮崎県3基、鹿児島県で1基稼働している。廃蒸気を利用できると熱効率は50%程度まで向上できる。FIT制度による鶏ふん発電は購入価格が17円/kWh(税抜き)の設定されており、補助金無しでも6〜7年で採算が取れるシステムとなっている。【7.小型燃焼発電】蒸気タービン式の小型発電機として、スクリューコンプレッサー方式で蒸気の圧力差で発電するシステムが開発された。発電効率が高いので、蒸気と電力の両方がいる場合に考慮すべき発電方式といえる。【8.不完全燃焼によるガス化発電】発電効率は約30%で、総合熱効率は70%以上に向上し、経費的に成り立つシステムにすることが可能性である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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