【表題】 エコファーマーと家畜ふん堆肥

【著者名】 猪股敏郎
【所属】 (財)日本土壌協会
【発行年】 2014
【雑誌名】 畜産環境情報
【巻】 50
【頁】 1−12
【要約】 当協会が数年前に行った、減農薬・減化学肥料栽培している農家の堆肥利用についての全国調査では、家畜ふん堆肥について品質上の問題を指摘する農家が多く見受けられた。また、堆肥の利用においては主に土壌改良目的で堆肥を利用している農家が多かったが、栽培作物の種類によっては肥料効果も重視していた。今後、こうしたエコファーマーのニーズに沿った堆肥の生産や製造した堆肥の利用上の留意点の情報を提供していくことが循環利用を促進していくために重要であるので、そのための課題や対応について述べてみたい。【2.エコファーマーのニーズに沿った堆肥生産】[(1)エコファーマー等が重視する堆肥品質]1)腐熟度 2)取扱性 3)土壌改良効果等 4)肥料成分の安定、その他野菜農家を中心に土壌病害抑制のため土壌微生物多様性の向上に寄与する堆肥の微生物性。[(2)堆肥価格を値上げしても販売量が低下しなかった堆肥センター]1) 茂木町有機リサイクルセンター美土里館の例 @以前、地域の耕種農家は酪農家と相対で取引していたが、堆肥利用がうまくいかないことから、町が家畜ふんのみでなく、分別した生ゴミ、落ち葉、間伐材を原料としたオガクズといった地域資源を有効活用して堆肥を製造する堆肥センターを設置した。A美土里堆肥の材料は牛ふん、落ち葉、生ゴミ、オガクズ、もみ殻(水分55%、C/N比18.7、EC4.8、pH7.9、全窒素1.9%、全リン酸1.1%、全カリ2.0%(水分を除き乾物%))で、肥料効果より土壌改良効果の高い肥料である。B多くの作物で利用できるが、特にイチゴ、トマトなど肥料を抑えて栽培する必要のある作物に適している。堆肥はさらさらしており、取扱性も大変良好である。購入理由としては品質が良いことが最も多くなっている。2) 平成20年4月から4千円/t(町内)を5千円/tに値上げした後、1年間の比較で販売重量では前年比11%増販売金額では19%増とむしろ増加している。3) その要因:堆肥の品質の良さが農家に定着しており、周辺市町村農家にも口コミで伝わっていることが挙げられる。特に地域特産であるイチゴ農家に人気があり(窒素成分が少なくイチゴの施肥特性にマッチしている)、周辺市町村からの堆肥購入者が増加した。【3.堆肥の効果的利用技術】(1)堆肥養分供給の特徴 1)堆肥施用と地力窒素発現 2)堆肥から発現する窒素の肥効率 3)堆肥連用による窒素肥効の変化 4)土壌の排水条件の相違による堆肥の肥効 (2)堆肥施用による農作物の収量・品質向上効果 (3)堆肥の不適切な利用による失敗
【要約者】 竹中洋一

[ 2014/12/02 掲載 ]


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