【表題】 耕種農家のニーズを捉えた堆肥の生産

【著者名】 羽賀清典
【所属】 (財)畜産環境整備機構
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュア・マネージメント
【巻】 デイリーマン臨時増刊号
【頁】 26−30
【要約】 2007年3月に家畜排せつ物法の基本方針が改定された。そこに示された重要事項は「耕種農家のニーズに即した堆肥づくり」となっている。ここでは、この新たな基本方針に関係する耕種農家のニーズについて、3つのアンケート結果を探りながら、堆肥を生産する畜産の立場から考えてみたい。【1つ目のアンケートは特別栽培米生産農家が家畜堆肥を使用し始める条件をアンケートした結果】高品質堆肥の26%、散布しやすい乾燥品の9%など、品質に関することで37%に上る。次に安価を望むものが20%。さらに、散布請負10%、少労力9%、散布機械8%等、運搬・散布関連が34%と、高品質で低コストな堆肥を運搬・散布してくれるならば使いたいということになる。【2つ目のアンケートは、熱心に堆肥を利用している耕種農家が利用上抱えている問題点について】種子混合24%、成分変動6%、生育障害18%、硝酸態窒素8%など品質に関することが56%。散布については12%。さらに、臭気16%等、環境問題が24%に上る。【3つ目に、農林水産省が行ったアンケートから、今後利用が進むと思われる堆肥とは何か?】上位4位は、顆粒やペレットなど散布しやすい堆肥が52.7%、価格が安い堆肥が48.8%、成分量が安定した堆肥が43%、成分量が明確な堆肥が38.3%となっている。【耕種農家のニーズを捉えた堆肥:肥料成分】最近の乳牛ふん堆肥の成分:乳牛ふんの水分(52.3%)は肉牛(52.2%)とほぼ同じであるが、豚(36.7%)、採卵鶏(22.9%)、ブロイラー(33.0%)の堆肥よりはかなり高い傾向にある。窒素(2.2%)とリン酸(1.8%)の含有量は、豚(それぞれ3.5%、5.6%)、採卵鶏(それぞれ2.9%、6.2%)と比較して低いが、C/N比は20に近く、土壌改良効果も期待できる堆肥といえる。【コスト】農水省の調査では全国2,326の堆肥化施設の生産方式は、堆肥舎で堆積・切り返しが50.9%、ロータリ式かくはんが23.3%となっており、簡易で低コストな方式が施行されていることがうかがえる。農水省が2007年に示した堆肥舎等建築コストガイドラインでは、個人農家の場合面積200u未満で2万4千円/u、200u以上で2万2千円/uの価格となっている。リース制度などを活用し、負担を軽減することが得策であろう。農水省が02年に行った、個人に販売された家畜ふん堆肥の調査によれば、バラ積みの場合おおむね2千〜4千円/tの範囲にあり、平均価格2,630円/t、袋詰めではおおむね100〜200円/10kgの範囲にあり、平均価格164円/10kaであった。【環境】【運搬・散布】
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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