【表題】 吸引通気方式による堆肥化処理−アンモニアの回収と利用

【著者名】 阿部佳之
【所属】 (独)農研機構 畜産草地研究所
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュア・マネージメント
【巻】 デイリーマン臨時増刊号
【頁】 44−49
【要約】 農研機構畜産草地研究所では、開放型の堆肥化施設でもアンモニアを効率的に回収し、資源として有効に利用できる吸引通気方式の堆肥化処理システムを開発したので紹介する。【現行の堆肥化方式(圧送通気方式)】送風機で原料の底部から強制的に空気を吹き込んで、堆肥の腐熟を促すケースが増えている。この圧送通気方式において、原料から排出されるアンモニアなどの悪臭を処理する場合には、堆肥化施設のヘッドスペースを吸引して悪臭を集めなくてはならない。そのためには、まず施設の密閉化が不可欠であり、その上で一時間当たりヘッドスペース容量の5〜10倍以上の空気を送風機で吸引する。この場合、堆肥化施設や脱臭装置の他にも、これらのコストが上乗せされることを考慮する必要がある。【吸引通気方式】(1) 悪臭の発生源である堆肥原料を直接吸引できれば、悪臭を集めることが随分と簡単になり、また、原料を直接吸引することで原料の内部は負圧になることから、原料の周辺から内部に向けて新鮮な空気を供給することができるので、原料の腐熟も促進される。これが吸引通気方式である。しかし、家畜ふん尿の堆肥化処理では含水率が高くて通気がうまくできなかった他、送風機が腐食しやすかったことなど技術的な課題が残されていた。(2) 農研機構畜産草地研究所では、これらの問題に対処した吸引通気方式での新たな堆肥化処理システムを開発し、研究所内および栃木県北の酪農家で実証試験を行ってきた。このタイプの堆肥化処理施設は @発酵槽、A切り返し装置、B通気配管や送風機、ドレイントラップで構成される吸引通気装置、Cアンモニア回収装置−などから構成される。【吸引通気方式の技術的なポイント】[堆肥原料の前処理]圧送通気方式と同様に、原料かさ密度が500〜700kg/?となる副資材の混合量が吸引通気方式には適しており、通気配管の目詰まりも生じにくくなる。[吸引通気の目詰まり対策]通気を確実に行うことを優先的に考え、物流用のパレット(ポリプロピレン製、1m×1.2m×150mm)の表面に5mm目のメッシュでカバーしたものを通気口にして、これらを原料の底部にスポット配置する通気配管方法を考案した。今までは多孔管など「線」で通気していたものを、複数の1m角の「面」で通気を行うという発想の転換である。【吸引通気方式によるアンモニアの回収と利用】[堆肥原料から吸引されるアンモニア濃度][アンモニア回収装置][回収したアンモニアの利用]【吸引通気方式の導入条件】[搾乳牛100頭規模の酪農家での事例][導入のためのコスト][今後想定される利用場面]
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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