【表題】 安全な牛糞堆肥をつくるために−最高到達温度を測る

【著者名】 川村英輔
【所属】 神奈川県農業技術センター 畜産技術所
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュアマネージメント
【巻】 デーリィマン臨時増刊号
【頁】 79−82
【要約】 耕種農家が牛ふん堆肥を利用する際に必要な「作物に害が出ない、外来雑草が生えない」といった安全性は、堆肥化過程の中で「病原菌や寄生虫、雑草の種が死滅」する60℃以上の高温にさらされることで確保されるが、耕種農家が堆肥を入手する際には60℃以上の高温過程を経た堆肥かどうか知る術がない。【重要な堆肥化初期の水分・比重調整1】@ では、どのようにすれば牛ふん堆肥化処理過程で60℃以上の高温を得ることができるのだろうか。家畜ふんの堆肥化処理は、ふん中に空気が入りやすい状態にして好気性微生物が活発に易分解性の有機物を分解できる条件にすれば堆肥化発酵が活発に進む。特に乳牛ふんの場合、生ふんのままでは水分率が高く、オガクズなどの副資材を混合したり、乾燥によって水分・比重調整をし、空気が入り込める状況をつくり、ふんの物理性を改善する堆肥化前の初期調整が重要なポイントとなる。A 一般に乳牛ふんの水分率は85%前後だが、水分率が低下し68%以下になると通気性が発現するといわれている。また、容積重(比重)は500kg/?にできるだけ近づける。そこで、神奈川県農業技術センター畜産技術所では、バケツを用いて水分率68%以下となっていることを確認できる簡易な水分・比重調整確認法を考案した.【バケツによる簡易な水分・比重調整確認法】5L(もしくは10L)のバケツ、スコップおよび5kgが測定できる重量計を準備する。バケツにすり切りのふんの重量が2.5 kg以下になっていれば、通気性が確保された状態と判断できる。同時に○kg/5Lで容積重を測定できる。【堆肥過程の最高到達温度を測る方法】当所では接触温度によって色が変わり、その色が元に戻らない不可逆性のシールを500mlのペットボトルに入れた簡易温度計を作り、発酵過程における最高到達温度を簡単に確認する方法を考案した。【ペットボトル温度計のつくり方】ペットボトル温度計は、農家自身が手軽に製作できる。まず、500mlのペットボトル、ビニールテープ、温度で色が変わるシールを準備する。ペットボトル内にシールを入れキャップを閉めて、キャップ部をビニールテープで防水するだけで簡単につくることができる。【ペットボトル温度計の使い方】@堆肥化初期調整が済んだふんを山状に堆積する際に、ペットボトル温度計を山の表層部や中心部に入れる。Aローダなどを用いて切り返しを行う際、堆肥表面に出てきた温度計を取り出す。Bペットボトル内のシールの色で最高到達温度が簡単に確認できる。もし、色が変わってなければ、繰り返し利用することも可能。
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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