【表題】 堆肥を有効利用する飼料用イネ栽培

【著者名】 原田久冨美
【所属】 (独)農研機構 畜産草地研究所 飼料作物研究領域
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュアマネージメント
【巻】 デーリィマン臨時増刊号
【頁】 103−107
【要約】 【飼料用イネ生産に必要な窒素施肥量を考える手順】@ 多収品種は耐倒伏性が強く、粗玄米収量として800kg/10a程度の生産能力がある。多収穫を得るには通常の食用品種に比べて1.6〜2倍程度の窒素施用量が推奨されている。A 多収品種を栽培して800kg/10aの収量を得るには、成熟期におおむね15〜16kg/10aの窒素を吸収させる必要がある。一方、食用米として玄米収量550kg/10aを得る場合、10.5kg/10a程度の窒素吸収量である。B 多収品種は食用品種に比べて土壌窒素や施肥窒素の吸収効率が良いため、飼料用米の目標収量を得るには食用品種への施肥に比べ3(=5−2)kg/10a程度多く窒素が吸収されるよう施肥量を調整する必要がある。C 通常の速効性化学肥料を用いる場合、窒素利用率は40〜50%なので、食用品種よりも6〜7.5ka/10aの増肥による目標収量が得られると計算される。D これはモデル的な試算であり、目標収量や窒素吸収量、窒素利用率などは、品種、地域、土壌、施肥法や施肥資材、田畑輪換などの各条件で異なってくる。E「飼料用米の生産・給与技術マニュアル」((独)農研機構 畜産草地研究所ホームページ内)では各地方における飼料用米の多収を得るための窒素の施用法が紹介されている。F 稲発酵粗飼料生産では、地上部全体を持ち出すため、堆肥施用などによる養分の供給は水田の生産力の維持のために重要と考えられる。【堆肥の肥効率を用いた肥料代替の考え方】@ 堆肥の利用に当たっては、肥料成分含量を依頼分析して把握することが適切で省コストな養分管理のために望ましいと考えられる。各地域の堆肥利用促進協議会や堆肥センター協議会などから、地域内で流通可能な堆肥の化学成分などがインターネット上で公開されている。A また、堆肥の各成分毎に、化学肥料相当量を算出できる肥効率が設定されているが、堆肥の種類や栽培条件によっては当てはまらないこともある。実際の適用に当たっては大まかな目安と考える必要がある。B リン酸、カリについては、土壌中に診断基準値の標準範囲程度のリン酸やカリが含まれている場合には、ほぼ化学肥料に匹敵する効果があるとみなして良いと思われる。C 実際には、土壌診断を実施して土壌養分を把握し、肥沃土を持続させるよう土壌管理を行うことが、結果的に低コストな安定生産につながると考えられる。【飼料用イネ栽培における堆肥施用量】[稲わらを持ち出す場合][稲わらが圃場還元される場合][食用米栽培に転換する場合の注意点]
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る