【表題】 堆肥センターの役割

【著者名】 猪股敏郎
【所属】 (財)日本土壌協会
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュアマネージメント
【巻】 デーリィマン臨時増刊号
【頁】 115−120
【要約】 堆肥センターの運営が厳しくなる要因としては、次のようなことが挙げられる。@ 堆肥の品質が良くないのでなかなか適正な価格でさばけない。それにより、堆肥の販売収入が減少するなどにより経営を圧迫する。A 耕種農家の堆肥利用の利便性の向上:堆肥の運搬・散布体制が整備されている堆肥センターの堆肥はさばけやすい傾向にある。また、堆肥利用する場所と堆肥センターが離れている場合、利用する地域にストックヤードを設置すると堆肥の利用拡大が図られる。特に耕種農家のニーズに沿った品質の良い堆肥生産が重要。【耕種農家の堆肥利用による失敗例】[未熟堆肥利用による失敗][作物特性に合わない肥料特性の堆肥利用による失敗][堆肥の施用法が不適切であることによる失敗]【耕種農家が堆肥を選択するポイント】[腐熟度][取扱性]マニュアスプレッダで堆肥を散布する場合、水分が高かったり、塊が多いと圃場一面、均一に散布しにくい。適正な水分(約50%)で塊の少ないものが望まれる。最近、取り組みが増えているペレット堆肥は、重量や容積が従来堆肥の半分程度になり、また耕種農家が保有している肥料散布用のブロードキャスタで散布でき、取扱性の面で大変優れているが、コストの低下が今後の課題である。[作物施肥特性]@ 堆肥利用農家には土壌の保水性、通気性など物理性を改善し、根の張りをよくする目的で施用しているケースが多く見られる。半数以上の農家はこうした土壌改良目的で堆肥を利用し、肥料成分は化学肥料などから補給している。A 土壌改良効果の高い堆肥は、肥料成分が少なく、炭素比率の高い牛ふんもみ殻堆肥のようなものが該当する。B 肥料効果の高い堆肥(鶏ふん堆肥、豚ぷん堆肥)は、白菜、キャベツ、ナス、ピーマンなど多肥栽培を必要とする野菜を生産している農家に多く利用されている。堆肥の肥料成分とともに、成分の安定が重視されるケースもある。[主な作物の施肥特性と好まれる堆肥][価格]【利用者の望む堆肥の製造】一般に利用者の要望に沿った特性の堆肥を数種類製造することは困難なので、腐熟度を基本に置いて管内の利用者の作物構成などを考慮し、堆肥製造していくことが重要である。【堆肥の特性、利用法の情報提供】最近、堆肥の使い方で問題となるのは、堆肥を施肥した場合の肥料の減肥で、特に、リン酸、カリの減肥が問題となっているところが多くなっている。【値上げしても販売量が低下しなかった堆肥センターの要因】堆肥の品質の良さが農家に定着しており、周辺市町村農家にも口コミで伝わっている。
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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