【表題】 メタン発酵(バイオガス生産)と消化液利用

【著者名】 梅津一孝
【所属】 帯広畜産大学 畜産衛生学
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュアマネージメント
【巻】 デーリィマン臨時増刊号
【頁】 128−132
【要約】 家畜ふん尿を主原料としたメタン発酵の基礎と消化液利用について述べる。【メタン発酵の基礎】[メタン発酵の原理]メタン発酵は嫌気条件で進行する有機物の分解反応であり、メタン菌群に属する微生物に有機物が分解されメタンガスを生成する反応と、水素と炭酸ガスからメタンを生成する二つの反応の総称である。生成するバイオガスはメタンが約60%、二酸化炭素が約40%。メタン発酵はいくつかの細菌が関与するプロセスの総称である。そのプロセスの最終段階でメタン生成を担うメタン生成細菌はある特定の基質をエネルギー源とし、かつ炭素源として生育しメタンを生成する偏性嫌気性細菌の総称であり、メタン生成細菌が利用可能な基質は非常に限定されている。[施設の形態]家畜ふん尿を原料としたメタン発酵施設は、農家が個別に所有する個別型と複数の農家がふん尿を処理する集中型に大別される。ふん尿の輸送費は集中型バイオガスプラント運営の重要な鍵であり、コストの35%〜50%が輸送費である。[投入原料]投入原料に含まれる炭水化物、タンパク質、脂肪を構成する元素量が既知であれば、有機酸類のメタン分解に関する標準式からメタン生成量は予想できる。乳牛ふん尿を投入原料とした場合、メタンガス生成量を最大にする固形分濃度は約9〜10%で、ふん尿の機械搬送や厳冬期のかくはん機、ポンプの使用可能な限界値である。豚ふん尿の最適固形分濃度は5%付近である。C/N比の最適範囲は12〜16で、C/N比の少ない家畜ふん尿は豚ぷん尿や鶏ふんの場合、過剰な窒素がアンモニアに変わり発酵阻害する。家畜ふん尿と有機性廃棄物の混合発酵は、ガス量を増大させる効果的な方法で、乳牛ふん尿を食品加工場から排出させる廃油などを混合しメタン発酵させると、乳牛ふん尿のみに比べ約2倍のメタンガスを得られることが確認されている。また、水産廃棄物との混合発酵も有効な方法で、ガス量の増大の他に窒素などの肥料成分が無機態で大幅に増加することが明らかになっている。[バイオガスの利用]【発酵消化液の利用】[メタン発酵消化液の肥料成分とその利用]メタン発酵消化液は、生スラリーや好気性のばっ気処理などを行った液肥と比較し、肥料成分、特に窒素の損失が少なく悪臭の少ない肥効の高い液肥に変換することが可能である。また、有機態の窒素はメタン発酵の過程で無機化し、アンモニア態に変化し土壌中で直接作物の根から植物体に吸収される。肥料成分の有意な減少は認められず、メタン発酵には肥料成分の保持効果がある。[メタン発酵消化液の肥効][施用方法]
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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