【表題】 搾乳関連排水(パーラ排水)の浄化処理

【著者名】 大越安吾
【所属】 (地独)北海道立総合研究機構 農業研究本部 根釧農業試験場
【発行年】 2011
【雑誌名】 (続)マニュアマネージメント
【巻】 デーリィマン臨時増刊号
【頁】 139−144
【要約】 【パーラ排水とその種類】@ パーラ排水を汚染源毎に分類し、排水量と負荷量を把握することは、浄化技術の選定と浄化施設ミルキングパーラー規模算定には不可欠である。A 廃棄乳のBOD濃度は、7万〜12万mg/L程度に達し、乳牛ふん尿の2万〜4万mg/Lを大きく上回っている。このため、廃棄乳はパーラ排水として浄化処理を行うよりも、乳牛ふん尿と混合し堆肥処理もしくはスラリー管理を行い、畑地や草地へ還元する方が低コストかつ効率的といえる。【パーラ排水の浄化技術】パーラ排水の浄化技術は、大半が生活排水を対象とした下水処理技術を利用している。特に活性汚泥法が多く利用されている。他の生物的浄化法や物理化学的浄化法の様々な浄化技術が提案・実用化されているが、対象とするパーラ排水条件や各種コストは一長一短がある。[活性汚泥法]<標準型(連続式)> 標準型活性汚泥法は、エアレーションタンク(ばっ気槽)と最終沈殿槽で構成される活性汚泥法の基本形で、下水処理場などの大型浄化施設で利用されている。パーラ排水は下水よりも汚濁濃度が高いため、1〜6日程度の処理日数(下水では6〜8時間)で設計する。<膜分離型> 標準型活性汚泥法の拡張型。標準型では処理水中の活性汚泥を最終沈殿槽で沈殿・分離を行うが、膜分離型ではばっ気槽内に設置した平膜型や中空糸型の膜モジュールにより処理水を膜ろ過分離するのが特徴。膜モジュールの口径によっては処理水中の色素成分も分離除去ができ、非常に清澄な処理水を得ることができる。<回分式(バッチ式)> 回分式活性汚泥法は、ばっ気槽と沈殿槽を1つの貯留槽で兼用する方式。<半バッチ式(根釧農試方式)> 小型水槽を連結し、汚水の上澄みを次槽へ自然越流させ、各槽毎にばっ気処理を行う方式。ばっ気槽本体の施行価格が非常に安く、ばっ気動力にかかる電力も少ない特徴がある。<合併浄化槽方式(嫌気発酵→ばっ気処理)> 対象排水を常温嫌気発酵槽で有機物を分解・低分子化し、好気性発酵でばっ気処理する。余剰汚泥が少ない特徴がある。<凝集沈殿法> 水道水を作るための中核的技術。対象水に凝集剤(ポリ塩化アルミニウムは塩化第二鉄など)を添加し、かくはん・静置することで、対象水中の濁り物質や色素成分を沈殿させ、清澄な処理水を得ることができる。負荷濃度が高いパーラ排水では処理水に対して活性汚泥法などの生物的浄化を行う必要がある。<オゾン処理> 近年では旋回噴流方式やマイクロバブル化により溶存能力の向上が図られ、浄化能力が飛躍的に向上した。ただし、オゾン生成には多くの電力が必要であることと、浄化施設から排出するオゾンが新たな悪臭害を生じることが欠点である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2016/1/4 掲載 ]


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