【表題】 糞尿利用と牧草品質

【著者名】 小倉紀美
【所属】 北海道農業試験場
【発行年】 1999
【雑誌名】 北農
【巻】 66−2
【頁】 124−126
【要約】 家畜糞尿を多量施用している十勝管内のA町22戸の現地調査では、糞尿施用量が牧草地に対し毎年100t、トウモロコシ畑に対して200t/haを連用するという多量の施用例が見られた。糞尿の多量施用と乳牛の健康や繁殖性、牛乳生産との関連については、現在のところ問題は顕在化していないが、牛におけるマグネシウム吸収率を低下させるといわれるカリウム含量が3%を越える牧草を生産する圃場は全体の4割に達していた。また、硝酸態窒素含量が急性中毒の危険ラインされている0.1%を越える牧草は圃場の1〜2割程度で認められ、粗飼料の品質に留意しなければならない状況にあると思われる。糞尿を15t/ha施用した牧草から調整したカリウム含量が約4%のサイレージのDCADは400meq/Kgを超え、分娩前後の乳牛のカルシウム代謝には悪影響を及ぼすとされている値であった。泌乳牛への給与では採食量や乳生産には影響が認められなかったものの尿性状と血中尿素態窒素に変化が見られた酸塩基平衡や肝機能への負担が示唆された。牧草の硝酸態窒素含有量は堆肥施用より尿施用で顕著に増加し、尿を30t/ha施用したときの硝酸態窒素は0.22%に達し、飼料給与にあたっては十分留意しなければならないものであった。堆肥施用については比較的腐熟が進み窒素の肥効が緩慢であったため牧草への影響が小さかった。
【要約者】 林 孝

[ 2002/01/28 掲載 ]


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